日本取引所グループ初の株価指数先物などデリバティブの祝日取引の商いが予想以上の活況に
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日本取引所グループ(JPX)は9月23日の秋分の日に、株価指数先物などデリバティブ(金融派生商品)の祝日取引を始めた。
国内の株式市場が休場となる祝日に取引機会を提供することで、海外市場での価格変動によるリスクを軽減することができる。利便性を向上してさらなる投資家の呼び込みを狙う(23日付日本経済新聞)。
祝日取引の対象となる商品は指数先物取引、指数オプション取引、商品先物取引及び商品先物オプション取引。なお、国債証券先物取引、国債証券先物オプション取引及び有価証券オプション取引は祝日取引の対象外となる。
23日の日中の日経平均先物(ラージ)12月物の取引は、日中は3000枚程度の商いとなっていた。日中取引の終わりにあたる15時15分時点では、280円安の2万6750円となっていた。
さらにその後にはナイトセッションでの売買も行われた。23日の欧米市場は英国のトラス政権が大規模な減税策と国債の増発計画を打ち出したことで大荒れの展開となっていた。
米国株式市場ではFRBの大幅利上げが米景気後退入りを招くとの懸念も強まり、米株は大きく下落。ダウ平均は486ドル安となり、3万ドルを下回り、年初来安値を更新した。
ナイトセッションの日経平均先物(ラージ)12月物も大きく売られ、22日の清算値比で610円安の2万6420円となっていた。
大取によると、ラージよりも商いが多い日経225ミニ先物の取引の中心となる12月物の売買高は、23日の夜間取引の概算で約32万8800枚だった。大取の担当者は「初日としては期待以上に活発な取引が行われた」とコメントした(26日付日本経済新聞)。
祝日取引は各証券会社や商品先物取引業者などの取引参加者が参加するかどうかを決め、取引所に届け出る格好になる。今回のように欧米市場で大きな動きが出た際には、ヘッジ手段として機能することはたしかである。
祝日取引は祝日の前営業日の夜間取引の延長として取り扱う。祝日を挟み祝日の翌営業日の日中取引までをひとつの取引日とする。祝日中に基準値段や清算値は更新しない。日経平均先物の祝日の取引時間は日中取引が8時45分~15時15分、夜間取引が16時30分~翌日6時となる。
2022年は10月10日のスポーツの日、11月3日の文化の日、11月23日の勤労感謝の日にも祝日取引を行うことが確定している。
祝日まで取引をするのかという疑問はあったものの、9月23日の秋分の日のように海外市場で大きく動いた際にはヘッジとしてかなり有効活用出来ることも明らかとなった。