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「もう歳かな」と自覚するのはどのような時だろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 老眼も歳を取ったと実感できる現象の一つ

「白いものが目立つようになった」がトップ

人は歳と共に心身共に老化現象が生じるようになる。自ら「歳を取った」との自覚を体感するのは、どのような老化現象を確認したときだろうか。ソニー生命保険が2015年9月に発表した、50代から70代の男女に対する生活意識調査報告書「シニアの生活意識調査2015」の内容から確認していく。

今調査対象母集団(50代以上の人たち)に、どのような状況が発生した、気が付いた時に「自分が歳を取ったか」と自認するかについて、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位は「白髪が増えたと感じた」で47.7%に達した。

↑ どのような時に自分がシニアになった・歳をとったと思うか(複数回答)(上位陣)(2015年)
↑ どのような時に自分がシニアになった・歳をとったと思うか(複数回答)(上位陣)(2015年)

人によっては比較的若い時から白髪が目立つ人もいるが、概して歳を経るほど白髪は増えてくる。髪の毛が薄くなるのと共に大いに目に留まる部位であることから、具体的な機能劣化が生じているわけではないが、気にする人も多いのだろう。なお後述の通り、多分に女性による同意率が高いことが、総合値における最上位への底上げ要因となっている。

次いで多いのは「人やモノの名前がなかなか出てこない」で44.7%。記憶力は誰しも減退していくものだが個人差は大きく、また普段からの頭の使い方次第で随分と劣化スピードに差が出るとの話も聞く。また一様に記憶があいまいになるのではなく、特定の項目はしっかりと覚えている一方、他の事は忘れがちになる場合もある。いずれにせよ単なる老化ではなく、病気による場合もあるので、症状が激しい時には本人、そして周囲は留意が必要となる。

第3位は「小さな文字が見えづらい」。いわゆる「老眼」と呼ばれるものだが、特に本や雑誌、新聞を好んで読む人には辛い話に他ならない。「見えづらい」ならまだしも、老眼鏡の類を使わないと文字の判別がし難いとなればなおさらのこと。

さらに「運動の際に思ったよりも体が動かない」が4割近くで続く。「若い頃と同じような感覚で体を動かそうとしたが、いうことを聞かない、思った通りに動かない」場合は、時として怪我などを生じることがある。運動とまではいかないまでも、普通の歩行でちょっとした段差を飛びこし損ねたり、階段を登ろうとしたら段差を登りきれずにぶつけてしまうなどといったトラブルを起こしかねない。

その他上位項目は大よそ「見た目」「身体の衰え」「頭の衰え」の3タイプに大別できる。またこれらは「歳を取った」と自覚する内容だが、一覧を見て初めて「この症状、行動性向は経年傾向による結果なのか」と驚く人も居るのではないだろうか。

男女別では……

男女別で再計算を行うと次の通りとなる。

↑ どのような時に自分がシニアになった・歳をとったと思うか(複数回答)(上位陣)(2015年)
↑ どのような時に自分がシニアになった・歳をとったと思うか(複数回答)(上位陣)(2015年)

大よその項目で女性が男性を超える回答率を示しており、女性は多種多様な面で自身の老化を気にしていることがわかる。中でも「白髪が増えた」「しわが増えた」「若く見られて嬉しかった」「ファッションや流行に関する関心が薄くなった」など、見た目に係わる項目で差異が大きく、女性にとって見た目は非常に重要な要素に違いなく、そして歳を経てもなお乙女であり続けていることが分かる。

一方、「運動の際に思ったよりも体が動かない」「すぐに息切れした」のような運動系は男性の方が女性よりも高い値を示している。身体を動かす機会が多いだけに、老化による変化も気が付きやすいのだろう。

男女別で順位を見ると男性は「運動の際に思ったよりも体が動かない」「見えづらい」「白髪が増えてきた」「名前が出てこない」、女性は「白髪が増えてきた」「名前が出てこない」「見えづらい」「しわが増えた」。男女が普段どのような点を気にしているのか、老化に伴う変化を実感しているのか、大体なるほど感を覚える順位ではある。

無論これら要件の老化は個人差があり、必ずしもこの順番ですべての人が具体的変化を生じるわけでは無い。一方で目安としては十分に役立つはずだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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