【大洗町】夏バテ予防に燗酒(かんざけ)はいかが?酒舗のプロが教える最高の燗酒体験
大洗町にある酒舗「おそのえ商店」をご紹介します。店主自ら厳選したこだわりの和酒を数多く販売している酒屋です。日本酒をはじめ豊富な品を揃え、すべて正規特約店として定価販売をしています。
日本酒の魅力や、日々の暮らしにお酒を上手に取り入れるコツを聞いてきました。
お店の外観
和風モダンな外観のおしゃれな酒屋さん。飲めるほうではないのですが、素敵な雰囲気に引き込まれるように入店しました。
お得意さんは、飲食店が8割。はるばる都内からお魚に合うお酒を買付けに来る常連さんもいるという、舌の肥えた通好みのお店です。
店内のようす
直射日光が入らないよう設計された店内には、さまざまな焼酎が陳列され、圧巻です。焼酎だけでも、これほどの種類があるんですね。
奥には温度管理されたセラー室。こちらは主に、日本酒や果実酒が陳列されています。
店主の小薗江(おそのえ)さんのお話は、わかりやすくておもしろい上に和酒愛にあふれていて、時間を忘れて聞き入ってしまいます。
店主:
順風満帆ではありませんでした。現在の店舗に移転した1か月後に東日本大震災にあい、商品はすべて破損。コロナ禍では飲酒制限が出るなど、死活問題でした。
とはいえ、逆境に立ち向かってきたからこそ、こだわりに自信を持てるのだと確信しました。自分の信念を貫くことは、案外できそうでできないことだからです。
おすすめ
酒舗でお酒を購入する利点のひとつは、蔵元で作られたそのままの味を楽しめることです。
酒質を保ち安定させるためには、光、温度、湿度すべてにおいて管理が必要だと言います。理想的な状態を追求するご姿勢に、専門店としての気概を感じます。
夏といえば燗酒(かんざけ)
店主は、夏こそ常温以上の温度で飲むのを勧めています。“鹿児島では、夏も芋焼酎のお湯割りで夏バテ予防をしている”という暑い地域ならではの知恵を聞き、納得。
店主:
日本酒のなかでも、純米酒の燗酒。食事中に飲む食中酒(しょくちゅうしゅ)が一推しです。日本酒は世界でも珍しく、どのような料理にも合う守備範囲の広さが魅力。一歩も二歩も控えめなお酒なのです。
ーー燗酒が体にいい理由を教えてください
店主:
夏は冷房や冷たい飲み物で体を冷やしやすいので、燗酒で体の内側から温めるのがオススメです。日本酒の燗酒は、酔いの余韻が長く体を温め続けるので、冷え性の女性にとくに合うと思います。
冷たいお酒を胃に入れると、冷たいままでは消化できないので、温めようとします。そのときにエネルギーを消耗するため、翌日疲れが残るという悪循環になるのです。その点燗酒なら安心です。
ーー普段お酒を飲まない人が、燗を初めてする場合は、どうすればいいですか?
女将:
最初は難しく考えず、レンジでチンでいいと思います。こだわるなら、湯煎がオススメ。更にこだわるなら、すず製ちろり。熱の伝導率が高いので、すぐ温まりまろやかな味わいになります。一生ものですが、やわらかいので取り扱いには気をつけて。
酒は百薬の長と言いますが、適量が大事です。
笑顔の似合う快活な店主と女将は、お話しするだけで元気をいただけます。その活力の源は飲み方にあると知り、帰るころにはじぶんもやってみようかという気持ちになりました。
もともとお酒は飲めるほうではありませんので、少しの量から試してみようと、地酒の二合瓶(300ml)を購入しました。合わなければ、料理酒にしてもいいと思えたからです。
商品に合わせて、自宅での保管方法や楽しみ方の説明書をつけてくださいます。
試しに1週間ほど、燗酒を少しずつ食中酒として飲み続けてみました(厚生労働省のサイトを参考に、糖尿病予防にもなる一日に20〜25gの量)。
すると、体がぽかぽかして、体調がよくなった気がします。冷たい飲み物を控える意識づけにもつながりました(あくまでも個人の感想です)。
女将に相談しながら、じぶんに合うお気に入りの一本を見つけてみませんか。
お店の情報
お酒について知りたい方は、出張講習会なども対応可能だそうです。お料理とお酒の相性についてご興味のあるグループは、相談してみてください。