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80代夫婦が大人のH&Mコーデを試してみたら海外のオシャレカップルに大変身!

松本雪生ライター/翻訳(英→日)/大人ライフスタイルブロガー

上の二人はどう変わる? おしゃれを諦めがちな日本の後期高齢者 

人生100年時代だとすると、定年後の人生も40年近くあることになる。80代の後期高齢者だって健康でさえあれば、外出や旅行を楽しむ時間が充分にある。

 筆者は80代の母親、70代の叔母を伴って小旅行に出かけることがあるが、二人とも日ごろから健康に気遣い、サプリを飲んでいるせいか元気だし、まあ実年齢よりは若く見える。

 ところが残念なのは、年齢に見合いすぎたその服装だ。「もう歳だから」と、いかにもおばあさん的なデザイン・色の服を着てくる。正直、あまり一緒に歩きたくない。父親になるともっと重症で、ワードローブは灰色(昔はドブネズミ色と呼ばれたらしい)一色である。サラリーマン時代が長すぎて、スーツ以外何を着たらいいのかよくわからないらしい。

 欧米ではお年寄りが地味になる傾向はさほど感じられない。海外のリゾート地では派手な色のビキニを着た堂々たる体格の高齢女性がけっこういるし、フォーマルなシーンでは若い女性がブラックドレスに身を包む一方、年配の女性が鮮やかな色のドレスを着ているショットをよく目にする。皆堂々と着こなしているせいか、感心してしまうくらい似合っている。

 「日本の高齢者ももっと派手になっていいんじゃない?」 私は素朴にこう思った。

 そこで知人の80代夫婦に協力を仰ぎ、手頃なファストファッションを利用して、欧米調の「明るいシニアルック」を試していただくことにした。

 A氏は88歳。妻のA夫人は84歳。今回はビビットな色とエッジの効いたデザインが揃うH&Mの服を使用したが、お二人とも時々ユニクロでヒートテックを買う以外、ファストファッションを利用したことはないそうだ。

A氏(88歳)のビフォー写真はこちら。↓ 失礼ながら、ウチの父親とあまり大差がないコーディネートだ。

 今回は高齢男性があまり抵抗なく着られるような、ソフトな色合いのものを中心に選んだ。アフター写真は以下に。

H&Mの服でコーディネートしたA氏のアフター写真

ボアジャケット、カーゴパンツ;H&M
ボアジャケット、カーゴパンツ;H&M

ニット、カーゴパンツ、ジャケット;H&M
ニット、カーゴパンツ、ジャケット;H&M

パーカ、カーゴパンツ、手に持ったジャケット;H&M
パーカ、カーゴパンツ、手に持ったジャケット;H&M

 A氏は今まで試したことがないコーデに満足されたようで、値札を見てその手頃さにも驚かれていた。

A夫人(84歳)のビフォー写真はこちら↓

 「黒以外は太って見える」と固く信じていらっしゃった。今回、黒は大胆な柄のブラウスだけにして、それ以外は普段絶対に着ないというカラフルなものを着ていただいた。

H&Mの服でコーディネートしたA夫人のアフター写真

トップス(左右とも);H&M
トップス(左右とも);H&M

左写真のトップス、右写真のドレス、ジャケット;H&M
左写真のトップス、右写真のドレス、ジャケット;H&M

 いかがだろう。日本の後期高齢者だって堂々と楽しんで着ていれば、ビビットな色もトレンドのデザインも、案外着こなせてしまうのではないだろうか。

 お二人とも今回の体験を心から楽しまれた様子で、実際コーディネートに使用した服の半数以上をお買い上げになった。「自分達に着られるようなものがあることに驚いた」という。着用した服は3000円前後が中心で、一番高いものでも1万円で余裕でお釣りがくる程度だったと記憶する。

 日本の高齢者の皆さん、ファストファッションを若者だけに独占させておくのはもったいないですよ。

ライター/翻訳(英→日)/大人ライフスタイルブロガー

日本生まれ日本育ち。長じてからは東京→アメリカ西海岸→東京と拠点を移し、外資系企業勤務などを経てライターへ。アメリカのTVドラマとハリウッド系ゴシップが大好き。日本は食べ物が美味しくてファストファッションが充実しているから、これまた大好き。「50+からちょっと楽しく、ちょっとカッコ良く」のコンセプトのもと、大人世代がさほどお金をかけずにおしゃれに見える工夫や、大人が楽しめるお店情報などを提案します。集英社のWEBマガジン「OurAge」の「おでかけ女史組」メンバー、ユーユーとしてコラム執筆中。noteはこちら→ https://note.com/yuuyuum5/

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