愛知を愛しすぎたユニクロ店長。地元企業コラボで地域を元気に!
地元企業34社とのコラボグッズが百花繚乱のユニクロ名古屋店
名古屋駅にあるユニクロ名古屋店で、ユニークな地元企業コラボグッズが展開されています。企業のロゴマークやキャラクター、商品をあしらったTシャツ、バッグなどがズラリ。みそかつの「矢場とん」、カレーの「オリエンタル」、しるこサンドの「松永製菓」、遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」、レジャー施設の「日本モンキーパーク」「名古屋港水族館」、ミシンの「ブラザー工業」など、グルメからレジャー施設、モノづくりのメーカーまで、参加企業は34社にのぼります。
2022年4月15日~22日は愛知県内のユニクロ全店舗で「ユニクロ愛知祭」を開催。ユニクロ名古屋店の開業5周年を記念した企画で、期間中は名古屋店だけでなく県内の全店舗で先のオリジナルデザイン商品を販売し、期間限定のデザインも登場します。
これらのグッズは、ユニクロのオリジナルグッズ作成サービス「UTme!」(ユーティーミー)によって作成するもの。スマホなどで取り込んだ画像をプリントして、誰でも自由にオリジナルデザインのTシャツやバッグなどをつくることができ、現在全国14店舗に導入されています。
店長の「愛知、大好き!」が企画の原動力
「コラボしている企業の数も、売り場の規模も、UTme!の企画としては全国最大級です」というのはユニクロ名古屋店店長の安達智子さん。その理由は「私が愛知、大好きなんです!」ときっぱり。何と、世界的企業であるユニクロ、その中でも超大型の名古屋店を愛知色に染めているのは、1人の女性店長の熱い地元LOVEだったのです。
「昨年秋のUTme!のコラボ第1弾の参加企業20社は、飲食店や酒蔵など親しみやすいグルメが中心でした。今回の第2弾では、コロナ禍の影響が大きかった観光施設も盛り上げたい!と考えました。そこで、子どもの頃から遠足で何度も行っている日本モンキーパークなどを運営する名鉄インプレスさんにまずお声がけしました」
ホームタウンである愛知を活気づけたいという安達さんには、地元に対するこんな思いもあったといいます。
「愛知にはいいところや魅力がたくさんあるのに、あまりそれを主張しない人が多い。愛知の人に、愛知をもっと好きになってもらいたいんです!」
「何でユニクロが?」。最初は戸惑う企業も思いに共感
コラボする企業には、安達さんらユニクロ名古屋店のスタッフが直接オファー。「最初は皆さん、“えっ、何でユニクロが?”と驚かれます。確かに普段は会社同士の接点がないため意外に思われますが、名古屋店で働く私たち従業員はほとんど地元の人間です。同じ立場で、一緒に愛知を盛り上げたいんです」(安達さん)
参加企業も「ユニクロさんという大きなブランドですが、主催は名古屋店なので、地元のお店と一緒に盛り上がっていきたいと思い、参加しました」(名古屋港水族館)と共鳴。また「ユニクロファンの方に、当館や生き物に親しみをもっていただけたら」(同)、「若い人たちが名古屋めしの魅力を知るきっかけになることを期待しています」(矢場とん)と新たな客層の掘り起こしにも期待します。さらには「矢場とんスタンプのTシャツを着てご来店いただいたお客様にはちょっとしたサービスも。『#矢場T』で矢場とんオリジナルコーデを投稿してもらうとみそかつセットが当たるSNS企画もやっています」(同)と、ユニクロコラボをきっかけにした販促の取り組みもあり、早速相乗効果が生まれています。
Tシャツのデザインは、もともと着る人の属性や主張を表現するメッセージツールの機能ももっています。すなわち愛知の企業コラボTシャツは、身に着けるだけで郷土愛をアピールし、愛知の魅力を広めることができるアイテムともいえます。
「私の地元が(愛知県北部の)江南市ということもあって、コラボ企業も県北部が多い。今後は(県南東部の)三河地方の企業ももっと増やしていきたいと考えています」という安達さん。ユニクロ名古屋店の企業コラボグッズは、これからもいっそう幅を広げていきそう。そして、全国でこのような地元企業をフィーチャーした商品づくりが活発化すれば、お出かけ先のユニクロに立ち寄る楽しみもまた広がりそうです。
(写真撮影/すべて筆者)