絵文字とスタンプをつかいまくってストレスフリーになろう!
最近、予防医学研究者の石川善樹さんと久しぶりに再会したので、ストレスについていろいろ語りました。今日はそこから得られた示唆を共有します。
24歳で最初の事業を興してから15年になります。その間、ストレスが原因でどん底まで落ち込むことが数年おきにあったのですが、最近は随分楽になりました。ある一つのことを意識するようになってからです。
人間は人に対する愛情や感謝の気持ちを表現したり、相手がうまくいくように貢献したりしようとすればするほどストレスが少なくなるようです。つまり心の安定には「自利利他」がとても大切だということです。
「自利利他」とは仏教の言葉のひとつですが、書き下すと「自利とは利他を言う」となります。つまり、人のために何かをすることは自分のためであるし、自分のためを思うならば、人に利することをやることが大切だということです。
逆にどういう時にひどくストレスがたまるかというと、「感謝」や「愛情」の表現なしで意思決定を繰り返さなくてはならない時です。意思決定とは決定するわけですから、時に片一方のアイデアを切り捨てたり、時には人を切る決定もあります。
そのような意思決定を毎日無数に繰り返すのが経営者の仕事です。楽ではありません。しかもそんな辛い意思決定をネット、例えばメールやSNSで365日繰り返しているとあっという間にそのリーダーの心は疲弊してきます。そのうちにダークサイドに陥り、判断のすべてがくるってきます。愛が足りなくなってくるからです。
メールやSNSでの意思決定が辛いのは、それが直接的に会ってそれを伝えるよりも、はるかにその意思決定に「愛情」や「感謝」を乗っけることが難しいからです。それでも語尾を変えたり、言い回しを変えたり、絵文字やスタンプを使ったりなど工夫をすることで随分違うんです。どんな方法でもいいので愛を乗っけるのです。愛が足りなくなると傷つくのは自分自身です。
「欧米で生まれたメールというツールは用件だけを単刀直入に伝えるようにしましょう」という新人研修を直解して、ファクトと用件だけを伝え放つ人があまりにも多いのは残念です。メールはもちろん冗長になるべきではないですが、削るべきは「前略、〇〇様におかれましては、、、お慶び申し上げます」などの下りであって、愛は削ってはいけません。
当然ですが欧米人も感謝の気持ちをメールに添えます。
もしかするとメールには1行ごとにスタンプや絵文字を挿入しても多すぎないくらいです。一文節に1スタンプでもいいかも!それで自分の想いが伝わるのであれば。威厳なども大切なのかもしれませんがそれは、決してメールなどで示すものではありません。
経営者が出社している時間は、とにかく人との直接的なコミュニケーションに時間を使うべきでしょう。出社しているのに、メールやネットをばかりをしていてはもったいないです。私は出張が多いので、会社の執務室にいる時間が本当に少ないのですが、そこにいるときは社員のみんなとのコミュニケーションに集中するようにしています。くだらない話をすることも多いのですが、触れ合っているだけで想いは伝わるものです。
経営者の精神衛生においても、直接コミュニケーションは最高の手段です。メールや書きものは会社では一切やらずに移動時間の間に集中して全部終わらせます。
ストレスに関連することで、経営者が一番意識すべきは「自利利他」です。「愛情」や「感謝」を真正面から伝える、好きな人には好きという。つらい意思決定に際しては普段の倍の「愛情」と「感謝」を乗っける。そして自分とかかわりを持つすべての人の成長と成功を考える(例えその人のことが嫌いであっても)。
すごくシンプルだけどおすすめな習慣です。