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プライベートなスマートフォンやパソコンのインターネット使用はどの時間帯で行われているのかをさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ スマートフォンでプライベートなインターネット利用。いつ使われているのか?(ペイレスイメージズ/アフロ)

平日のプライベートなインターネット利用スタイルは?

スマートフォンやパソコンによってインターネットは容易に利用が可能となり、多彩なサービスの恩恵を受けられるようになった。そのサービスをプライベートではいかなる時間帯で使っているのだろうか。総務省統計局による社会生活基本調査(※)の公開値から確認する。

次に示すのは平日における年齢階層別・時間帯別の、スマートフォンやパソコンでプライベート目的にインターネットを使った人の割合。年齢階層別に2つにグラフを生成したが、双方で縦軸の仕切り分けは揃えている。

↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(50歳~)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(50歳~)

まずは50歳未満の動向。日中の行動者率が低いように見えるが、これは学業や仕事の使用が該当しないため。休み時間や息抜きに使っている人は多分にいるのだろうが、それでも多くて3割程度。また、6~9時台でやや大きめの値が出ていることから、朝食の前後や登校・出勤時に利用している人が少なからずいること、午前中よりは午後の方が息抜きをしている人が多いことがうかがえる(お昼休み中の利用もあるのだろう)。

夕方以降はいくぶん減り、そして夕食を食べ終えた後は一気に増える。平日ではプライベートのインターネット利用は、夕食後から就寝前の時間帯に行われるのがパターンのようだ。ただし10代前半は寝るのも早いため、21時以降の値はグンと落ちる。

50代以降もパターンはさほど変わらないが、行動者率そのものが大きく落ちる。60歳以降は定年退職などで日中にもプライベートな時間を十分に取れるはずだが、利用率は低いまま。もっとも、18~21時台だけでなく9~12時台でもピークが生じていることから、使う人に限れば午前中と夕食後に使用するスタイルなのだろう。

土曜や日曜では?

これを土曜、日曜それぞれで見たのが次のグラフ。

↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、土曜)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、土曜)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、土曜)(50歳~)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、土曜)(50歳~)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、日曜)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、日曜)(10~49歳)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、日曜)(50歳~)
↑ 年齢階層別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、日曜)(50歳~)

土曜も日曜も大よそ登校・出勤の人はいないので、日中における行動者率の減少傾向は無くなる。代わりに起床時間が遅くなるため、6時前の値は平日と比べて低めとなる。一方で夕食後の時間帯でピークとなる傾向は変わらない。休みの日でもプライベートでインターネットを使うのは、夕食後とのパターンの人が大勢を占めている。

土曜と日曜では傾向に大きな違いは無い。ただし夕食後のプライベートタイムでの行動者率では、わずかながら日曜の方が少ない傾向がある。土曜の翌日は日曜のため夜更かしができるが、日曜の翌日は月曜(平日)のために、あまり遅くまで起きていられないのだろう。

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※社会生活基本調査

5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。

今件における「スマートフォン・パソコンなど」の使用とは、インターネット接続により得るサービスの使用を意味する。また、インターネットに接続して入手したアプリケーションや音楽の使用も含む。さらに学業や仕事での使用は該当しない(学業は「学校での使用」と限定されていないので、自宅で学習目的に情報検索をする場合も該当しない)。要はプライベートでのインターネットの使用である。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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