持家か借家か、共同住宅か一戸建てか…単身世帯の住宅スタイルをさぐる
大よその人は何らかの形で住宅に居住し日々の生活をしているが、その住宅はライフスタイルにも大きな影響を与える。特に自分一人が世帯構成員となる単身世帯では、住宅は自分の城のようなプライベート空間で、とても大切な場所に他ならない。今回は総務省統計局の住宅に関わる定点調査「住宅・土地統計調査」(※)の公開値を元に、単身世帯における住宅スタイルの実情(持家か借家か、一戸建てか共同住宅かの違い)を確認する。
今調査では全単身世帯における住宅のスタイルに関して、持家・借家、さらにそれぞれについて一戸建て・共同住宅に区分をしている。その公開値を元に年齢不詳者や特殊な居住様式などの少数の値を除いて計算した結果が次以降のグラフ。
まずは単身世帯の住宅が持家か借家について、世帯主=回答者=唯一の居住者の年齢階層別の実情。各年齢階層で双方の値を足せば、当然100%になる。
若年層のうちは財力が乏しく、しかも単身世帯なので配偶者や子供の観点で持家をせがまれることも無いことから、必然的に持家率は低く、借家率は高い。しかし歳を経るにつれて持家率は上昇し、借家率は減少。60代前半の層で双方の値は逆転を果たす。
これを持家・借家それぞれについて、共同住宅か一戸建てかの細分化をしたものが次のグラフ。持家は一戸建てが、借家は共同住宅がメインであることが分かる。前者は個別の建売一戸建て住宅、後者はマンションやアパートをイメージすれば容易に理解できよう。
「持家・共同住宅(分譲マンションなど)」「借家一戸建て」も少数ではあるものの単身世帯の居住スタイルとして確認はできる。また、「持家・共同住宅(分譲マンションなど)」が40歳代でやや膨らんでいるのも見て取れる。
大きな割合を占める「借家の共同住宅」と「持家の一戸建て」は、若年層では前者が圧倒的だが、歳を重ねるに連れて前者は減り後者は増え、65~69歳の階層で順位が入れ替わる。定年退職後、子供達は皆家を出て、離別や死別などで配偶者も無く、一人身の高齢(65歳以上)単身世帯のうち53.9%もの人が持家の一戸建て住宅に住んでいる計算になる。
住宅の規模にもよるが、防犯をはじめとした「万が一」の際の対応が不安でならない。
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※住宅・土地統計調査
今調査は5年毎に行われているもので、直近発表分は2013年10月1日時点のデータを計測したもの。約21万単位区・計約350万住宅・世帯を対象に、対象世帯に調査員が調査票を配布・後日回収する方式で行われている。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。