「ショートで勝負したい」前・中日の森越祐人内野手が阪神に入団
きのう19日、阪神タイガースは、中日を戦力外となり9日の合同トライアウトを受けた森越祐人内野手(26)の入団を発表しました。森越選手は会見の約1時間前に球団事務所を訪れて、年俸600万円(推定)で契約、背番号は今季まで日高選手がつけていた『37』に決まっています。
会見の冒頭で、木戸球団本部次長兼プロスカウト担当から「ユーティリティーの内野手として高く評価できる守備力、年齢が若くバッティングも磨けば良くなる点、1軍のチャンスも期待できるなど、フロントと現場の意見が一致した」と獲得に至った理由が説明されました。
そのあと本人へのインタビュー、ユニホームを着てのフォトセッション、記者陣の囲み取材と最後まで笑顔いっぱいだった森越選手。ではコメントをご紹介しましょう。
「悔しかった」から「嬉しい」へ
―現在の心境は?
「率直に嬉しいのひとことですね、今は。ドラゴンズから戦力外と言われて1か月半くらい、正直悔しかった。そこにタイガースから電話をもらって嬉しかったです」
―古巣・中日に見せたい?
「後悔させたいですね。アイツを出さなきゃよかったなと思わせたい。試合結果とか、練習の姿勢とかで」
―電話はいつ頃あった?
「トライアウトが終わって1週間くらいです。かかってきたのが知らない番号だったので“これは、もしや?テレビでよく見る光景?”と思って(笑)」
―まず誰に報告を?
「両親です。合同トライアウトも見に来ていたので。おめでとうって、ひとこと言われました」
―ライバルチームへ移ることになるが、阪神のイメージは?
「応援がすごい。1軍の試合でベンチにいて初めて聞いて、鳥肌が立ちました。自分のチームだったら、打席で浮足立ってしまうかも…というくらい。ファンに支えられているイメージです」
―甲子園については?
「高校の時にやって、いいイメージがありました。ナイターとかで環境も変わると思いますが、いいイメージのままでやっていきたい」
―和田監督の印象は?
「あまり喜怒哀楽を出さない、寡黙なイメージですね。話したことはまだありません」
目指すは守備率10割
―自身のプレーでアピールポイントは?
「今、話にあったようにサード、ショート、セカンド、甲子園ではファーストも守っているので、言われたところはそれなりにできると思います。打撃で10割というのは無理だけど、守備は10割を達成できるポジションなので、目指していきたい。森越のとこへ飛んだら大丈夫と言われるように」
―一番自信があるのは?
「ショートですね。できれば、というよりショートでやろうと思っています。そのつもりで阪神が獲ってくれていると思うので。ショートをやれればサード、セカンドもできるというのはプロで勉強させてもらいました。まずはショートで勝負していかないといけない。まずはショートで勝負したい」
―生まれ育った愛知を出るのは初めてですね。関西は?
「高校時代のコーチが関西の人で、怒られて怖かったイメージが…。でももう慣れたから大丈夫かなと思います。僕は名古屋人なので、負けないように頑張りたい(笑)」
―ファンの皆様へメッセージを。
「ショート争いに食い込んで、もちろんドラゴンズに感謝の気持ちはありますが、特にドラゴンズ戦で守って打って活躍したい。ヤジなり声援なり、よろしくお願いします!」
“玉ねぎ40キロ”の打撃も期待
中日でも内野の守備は一級品でした。特にスローイングが抜群!鳴尾浜でショートやセカンドを守っている姿を、阪神ファンの方もよくご覧になったと思います。バッティングでいえば、ことし5月24日と25日に淡路佐野運動公園野球場で行われた阪神‐中日戦での爆発は記憶に新しいですね。2試合で二塁打賞(お米10キロ)、三塁打賞(玉ねぎ20キロ)、猛打賞(玉ねぎ20キロ)と、素晴らしい賞品ゲッターぶりを発揮しました。
後日、人づてに聞いたところ、お米は実家に送ったそうです。しかし玉ねぎ計40キロはさすがに、標準家庭では消費する前に腐らせてしまうだろうということで、選手寮に寄付したとか。試合後、みんなに「玉ねぎ40キロ~」と言われてニコニコ笑っていたのを覚えています。9日の第1回合同トライアウトでも3安打した森越選手。守りは折り紙つきですが、打てば1軍はグッと近くなるでしょう。若トラたちも、もとヤンドラに負けていられませんよ。
最後に、きょう20日は川崎のジャイアンツ球場で第2回の合同トライアウトが行われています。今回は投手10人、野手9人の合計19人(第1回は59人)。阪神からは西村憲投手と、もと阪神の野原祐也選手(BCリーグ・富山)の2人だけで、森田選手は予定通り受験していません。第1回のトライアウト後、今回の森越選手のようにNPBや社会人のチームから声がかかった選手も多かったようですね。2回目にも期待しています。