子供部屋のカギ、つける? つけない?
「子供部屋にカギ」反対派は6割近く
成長に連れて、子供からねだられるものの一つが「子供部屋」。家族との共用で無い、自分だけの個室・環境を有することで、自我意識が明確化する、他人と自分との違いを再認識できる、自立心が芽生えるなど、情緒教育の面ではプラスとなる点が多い。しかし同時に、(親から見て)何か困ったことを隠れてしでかすのではないかとの心配も増えることになる。カギやテレビ、ネット環境など、子供部屋の環境整備に、親が悩む事柄は多い。自分の監視が行き届かないところで、それらを子供に与えてよいものなのか……。
次以降のグラフは、セルコホームが2013年12月に発表した調査結果「子供の成長と住宅選び」からのもの。高校生以下の子供が居る25-44歳の男女を対象に行われたもので、一戸建て・集合住宅居住比率は51.2対48.8。子供部屋にカギやテレビ、ネット環境を整備すべきか否かについて尋ねている。まだ部屋を与えていない場合は、与えることになったらとの仮説のもとに回答してもらっている。
子供が幼い時は特に、部屋に引きこもることがないよう、勉強机をあえて与えずにリビングなどで勉強させるスタイルもある。しかし実態としてはほとんどの人が「子供部屋に勉強机を置き、子供部屋の中で勉強させる」点には同意を示している。1/4強はいつでもOK、7割近くは子供の成長次第。
テレビは放任派が21.7%いる一方、反対派も32.4%おり、他の選択肢と比べると二極化している。子供とテレビの関係では、保護者間でも意見が分かれているようだ。またインターネット環境も似たようなものだが、「時期を見て許可を出す」との意見が多数派。「今後の社会情勢を考慮すると必要だが、時期尚早なタイミングで許可を出すのはマズイ」との考えなのだろう。
ドアの施錠化には58.3%が反対の意見を表明している。子供は強く願っていることだろうが、閉じこもりや影でリスクの高い行動をされる可能性を考えると、親の拒絶感も理解はできる。
ネットやテレビは中学生になってから
「時期が来たらOK」と回答した人に、子供の年齢でいつごろになれば許諾しても良いか、そのタイミングを聞いた結果が次のグラフ。
勉強机は元々賛成派が多数だったこともあり、時期条件を出した人でも早期許可が圧倒的。3/4近くが小学校に上がった時点で問題なし。一方、ドアに鍵・テレビ・インターネット環境は中学生以上で許可との意見が大多数て、ややテレビが寛容な位。今3項目の平均許可年齢は12歳台で、これは中学一年生の年齢であり、納得も行く。
細かい部分を見ると、ドアに鍵の項目が一番ハードルが高い。元々許可を出す人の割合も一番低いが、制限付きでOKを出した人でも、解放タイミングは一番遅いものとなっている。引きこもりやリスク行動の可能性を考えれば、当然の結果といえるが。
子供の立場で考えると、「自分だけの空間」である子供部屋には、各行動を完結できる機材を求めるのはごく普通の願望。心身共に成長し、保護者の干渉を受けたくない、気恥ずかしいとの想いも増し、願望も強くなる。また、自分の個意識・プライバシーをより強固なものとするための証(あかし)が、言葉通り「カギ」となる。
安全性を取るか、子供の心境・自主性を尊重するか。特に子供部屋のカギの設置は、子供とよく話し合って決定すべきだろう。
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