年度変わって記事もまた書いていこうかとおもっております。はい、パンケーキアートではきっと？お目にかかったことがあると思います…オタクシェフの稲垣です。

　世にはいろいろな作品が溢れておりますが、一つのジャンルとして確立しているのが「日常系」と言われるものです。基本的には、何も劇的なことがおこらず、ほのぼのと、日常が流れていく、といったものなのです。古くは「サザエさん」もそれにあたると思いますし、最近（ともいえなくないですが）では「よつばと！」あたりが王道と呼ばれるものなのではないでしょうか。

　ただ、そんな中、日常系に擬態した実はシリアスな内容を含むものが現れておりまして…そのギャップ感もさることながら、内容に加えて絵もシリアスにしてしまうと相乗効果でとんでもないことになってしまうからだと思うのですが…はい、きっとみなさんもいくつかこころあたりがありますよね？

　そんな非常に濃い内容の日常系を今回は５作品ほどご紹介いたします。あわせて焼いたパンケーキアートと一緒にお楽しみいただければと思います。

　1つめ、まずはこちら、久米田康治先生によるアニメ化もされたコミック作品、「かくしごと」

　ポップな絵柄に（アニメは声優さんがかなり贅沢）ギャグも満載です。東京の目黒川や代官山周辺を舞台に娘の姫ちゃん（CV 高橋李依）５年生の成長が描かれる作品なのですが、最後の展開がなかなかシリアス…でいろいろといままでの伏線が生きてくる ナイト・シャマラン監督（シックスセンス）的な展開…といえばいいのでしょうか…コミックと同時期にアニメもいい感じで完結となっております。とはいえシリアス度としては今回で一番ライトですので是非気軽にお楽しみください。

　２つめは…パンケーキ焼いておりませんが実写映画やドラマにもなった「セトウツミ」和津也（このもと かづや）先生のコミック作品になります。

　これはもう自分の中ではここ10年でもっとも衝撃を受けた作品といってもいいでしょう。男子高校生２人がメインの学校帰りの単純なシチュエーションが日々続くのですが、恐ろしいほどに練られた伏線の日常パートはもちろんウィットにとんだ面白い内容となっており、個性的なキャラクターと独特の間がすばらしい…そして最後には…すべてが明らかに…驚きの展開が待っております。

　もちろんオススメは全８巻あるコミックなのですが、ドラマ版もきっちり最後の展開までカバーしているのでオススメです。映画版は日常パートだけとなっておりますが、ただ主演に菅田将暉さんという…ファンならおさえておきたいところでしょうか。こちらも是非。

　３つ目です「ヤンキー君と白杖ガール」です。

　ドラマは杉咲花さん主演できっとみなさんの記憶にも新しいかと思いますが、うおやま先生による原作コミックの絵柄も実にかわいらしく、ドラマでは押さえきれなかった弱視の世界観が満載されております。個人的にはアニメ化を期待しておりますが、その前にコミックの２人のゴールが気になるところでもあります。

　作品自体にシリアスさはあまりなく、むしろ社会というものが様々な、多様な人間によって構成されていることを教えてくれる啓蒙的な作品となっております。ただ、よくある〜さんは系の日常ラブコメとは濃さが段違いなので注意が必要です。ニヤニヤしたあとに泣いてしまいます。是非オススメの作品です。

　４つめは…「ペリリュー楽園のゲルニカ」全11巻　かわいい絵柄ですが…

　第二次世界大戦の激戦区ペリリュー島での日常というか壮絶なストーリーがかわいいキャラで描かれていく異色の作品です。そのかわいらしいキャラクターに対して壮絶なストーリーとなっております。本当の戦争とは…当時を知る方々がどんどん亡くなっていくなか、このように作品となって残ることは非常に意義のあることだとも思いますが、単純に作品として楽しんでいただければ…とも思います。武田先生の次回作にも期待です。「いぬやしき」や「GANTZ」でお馴染みの奥浩哉先生ともゆかりの深い（アシスタント）作家さんということでダブルでファンになっております。こちらも一気に読めますが、こんなきな臭い時代なので読むタイミングはもうすこし平和な時が良いかもしれません…

　最後です。5つめは…こちら「コタローは一人暮らし」です。津村マミ先生によるコミック作品(未完）

　こちらもドラマとアニメもあり、ドラマも高評価、アニメは先日Netflixにて全話公開、アニメもオススメ、コタロー役が釘宮理恵さんというだけでもう愛おしくてしょうがないです。ざっくり言えばネグレクトがメインテーマですがそれをとりまく大人達の成長も描かれております。コタローちゃんのコミカルな口調と行動もすべて理由があってのことなのですが、いまの日本の問題の一つがかなりシリアスな感じで展開されております。アニメ全12話の内容もコミックだと３巻の途中ぐらいでしょうか、まだまだ序盤ですので続きが気になる方は是非コミックを…とオススメしちゃいます。ここでは書けないネタバレがたくさんありますので割愛いたしますが、全９巻（未完）となっており発刊ペースも一年弱となかなか続きが読めないのでもどかしいところでもありますが、非常に気になる感じで続いております。気になる…シリアス度的にはこちらがナンバーワンかもしれません。

　というわけで今回は日常作品に擬態したシリアスな作品を５つ紹介させていただきました。いかがだったでしょう？ただ、いまの世界情勢はパンデミックに戦争、非常にネガティブなリアル世界となっております。人間常に思考の逃げ道がないと潰れてしまいますので、楽しい、誰もが幸せになれる日常ものも大事。上記作品を読んでちょっと気持ちが裏返ってしまったら…

「よつばと！」を読みましょう。みんな幸せです。もしくは京アニ作品にもなった「日常」などがこれまたぶっ飛んでいてオススメです。こんな時代ですが「推し」や「好きなもの」を大事にして日々を送りましょう。

それではまた！