【三田市】新属新種の恐竜「ヒプノヴェナトル」「ササヤマグノームス」の化石がひとはくにて展示中
今年7月25日、2010年、2011年に丹波篠山市の白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層から発見された化石が、新属新種の恐竜だと解明され、「ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム」と命名されたと発表がありました。属名は、体を丸めて眠る姿で発見されたことから「ヒプノ=眠る」と「ヴェナトル=狩人」の意味からヒプノヴェナトル、種小名は発見者の松原薫さんと大江孝治さんに由来します。
そして9月3日、2007年〜2008年に兵庫県丹波篠山市に分布する篠山層群大山下層(約1億1000万年前)から発見された化石が新種新属の恐竜だと解明され「ササヤマグノームス・サエグサイ」と命名されたと発表されました。属名は「篠山の地下に隠された財宝を守る小人」を意味し、種小名は丹波地域の恐竜化石発掘調査を指揮してきた故・三枝春生博士に由来します。
これを記念し、「兵庫県立人と自然の博物館」では、新属新種の恐竜「ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム」の化石を2025年1月13日(月)まで。「ササヤマグノームス・サエグサイ」の化石を2024年11月10日(日)まで臨時展示中です。
恐竜が好きな息子と一緒に観に行ってきました。
館内入り口は3階からスタートになります。ヒプノヴェナトル、ササヤマグノームスの展示は、同じく3階にある「兵庫の恐竜化石」の前に展示されています。
向かって左側にヒプノヴェナトルの化石が展示されています。
解説パネルが2点あります。
ヒプノヴェナトルは、もっとも鳥に近いと言われるトロオドン科の小型の肉食恐竜で、全身が羽毛の覆われ二足歩行。足が発達し走ることが得意な恐竜です。
パネルの下のは化石が展示されています。
実物大パネルもあります。大きさは全長約1.1メートル、体重25キロで、小型の恐竜なのがわかります。
右側にササヤマグノームスの化石が展示されています。
こちらは中国の角竜類「アーケオケラトピス」で、ササヤマグノームスの近縁となる恐竜です。ササヤマグノームスはさらに一回り小さかったと考えられています。
解説パネルが3点あります。
ササヤマグノームスは全長80cmの植物食恐竜(角竜類)です。北アメリカの原始的な角竜類と近縁でもあります。このことからアジアで誕生した角竜類が1億1000年前にユーラシア大陸東部と北米大陸西部を繋いだ「ベーリング陸橋」を通り、陸伝いに北アメリカに渡った可能性があると考えられるようになりました。
パネルの下にササヤマグノームスの化石が展示されています。
常設の「兵庫の恐竜化石」もおすすめです。
展示室正面にはタンバティタニスの化石産状レプリカがあり、発掘調査で現れた化石の状態をそのまま保存したものが展示されています。タンバティタニスの大きさを感じることができるかと思います。
化石の重さを体験できるコーナーもあります。こちらは丹波で見つかった尾椎化石のレプリカで、実物と同じ重さとなっています。
恐竜の化石は想像していたよりも、とても重くずっしりとしていました。息子は持ち上げることすらできませんでした。
恐竜の卵や蛙の化石など様々な化石が展示されています。
天井にもいます。こちらはトゥプクスアラ・ロンギクリスタトゥスという翼竜類の化石です。
本館を出てエントランスホール横には「ひとはく恐竜ラボ」があります。
こちらは丹波市・丹波篠山市の篠山層群から発見された恐竜化石の、クリーニング作業を行う施設です。研究者の方達が特殊な道具を使って、巧みな技術で作業しているところを間近に見ることができます。
新種新属の恐竜が2つも解明され展示されている「人と自然の博物館」。今だけの特別展示となっているので、是非、訪れてみてください。
兵庫県立人と自然の博物館
住所:兵庫県三田市弥生が丘6
電話番号:079-559-2001
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始 (2024年12月28日(土)~2025年1月4日(土))
冬季メンテナンス(2025年1月15日(水)~2月10日(月))
観覧料: 大人200円、大学生150円、70歳以上100円、 高校生以下無料
HP:兵庫県立人と自然の博物館