女性のストレス過多が引き起こす悲劇、暴飲暴食、衝動買い
男女間はもちろん、就労状態などにより、ストレスの質や原因は大きく異なる。一概にその内容を比較し、どちらがより辛いかを語ることは難しいが、概して就業女性のストレスの蓄積は、頻繁に話題に登り、物語などで語られることも多い。
次以降のグラフはメディケア生命保険が2013年10月に発表した、就業中の女性を対象にした調査結果を基に生成したもの。その調査によると就業女性の99.4%が仕事やプライベート、家庭を起因とするストレスを蓄積しており、その多くは仕事が原因との結果が出ている。
ストレスが溜まりすぎると日常生活における「たが」が外れ、突拍子もない行動に出る場合がある(日常という名前の風船に、ストレスにあたる空気を詰め込みすぎると破裂するようなもの)。ストレス過多で心身が病んでしまうのを防ぐための自衛行動の一種だが、日常の殻を破ったものであるだけに、自他共に信じられないような挙動となる場合が多い。また見方を変えれば、それほどの行為をしないと、ストレス発散にはなりにくい。日常の中で蓄積したストレスなのだから、その日常を超えたものでない限り、散らすのは困難なのは道理である。
その「ストレス過多による、普段ではありえない行動」の経験を述べてもらった結果が次のグラフ。
最上位は「暴飲暴食」。42.0%の人がストレスでのやけ食い・やけ飲みの経験があるとしている。次いで多いのは「衝動買い」で34.7%。女性は元々買い物好きでも知られているが、その傾向はストレス発散のためのものも含まれているのだろうか。あるいは元々ストレスがたまりやすいからこそ、無意識に買物を頻繁に行い、適度な発散をしているのかもしれない。
就業女性によるストレス発散の対処法の上位として挙げられた「暴飲暴食」「衝動買い」。これは他の調査(女性全体のストレスに関する実態調査、養命酒製造、2013年5月)でも同じ結果が出ており、就業中であるか否かを問わず、女性全体のストレス発散手法の代表格であることが分かる。
なお、こちらの調査では「ストレス解消のための大胆な行動」の最上位にあたる「暴飲暴食」をしたあと、後悔した理由をも挙げてもらっている。その最上位には「体重の増加」がついている。
まさに「食い過ぎれば太る」という自然の摂理、当然の結果とはいえ、同時に心中お察し申し上げたくなる。具体的数字のデータは無いが、「激」に値するだけの物理的な、悲劇的体重増加が起きているものと推測される。
ストレスによるやけ食いそのものは理解できなくもないが、過度なものになると、たとえきっかけが就業関連にあったとしても、「ストレス過多」「暴飲暴食」「体重激増」「体重が増えてストレス増加」「ストレス過多」とストレススパイラル状態になりかねない。これから年末年始にあたり、特に就業女性においては、業務で多忙となるのと共に、色々な食事の上での誘惑にかられる場面が増えてくる。「忙しくてストレス溜まってるしぃ、年末でバーッとやりたい気分だしぃ、皆が集まっての無礼講の場だし」とばかりに、忘年会などで羽目を外し過ぎ、飲み過ぎ、食べ過ぎに陥らないよう、注意してほしいものだ。
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