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MLBに新たな“珍記録”が誕生

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
珍しい記録でMLBのシーズン新記録をもたらしたリック・ポーセロ投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9日のレイズ戦で今季24度目の先発に臨んだレッドソックスのリック・ポーセロ投手が、6回を投げ4安打2失点、7奪三振の好投を演じ、今季6勝目を飾った。

 昨年は22勝を挙げ最多勝に輝いたポーセロ投手だが、今シーズンはなかなか勝ち星を伸ばすことができず、ここまでリーグ最多の14敗を喫するなど苦しんできた。それだけにこの日の勝利はポーセロ投手にとって大きな意味を持つものだったが、残念ながら今回は勝利以上に“別の記録”で注目を集める結果になった。

 5回の登板時に3者三振に退け、珍しい『immaculate inning』(欠点のない完全なイニング)を達成していたのだ。

 長年MLB取材を続けてきた筆者にとっても『immaculate inning』は、なかなか耳慣れない表現だ。改めて調べてみると、1ニングを9球で3三振に抑えることを意味するらしい。つまり1回を“3連続3球三振”に抑えるというもの。まさに投手(特にクローザー)にとって夢のような抑え方だといえる。

 ポーセロ投手が今回達成したことでMLB全体で今シーズン8度目となり、2014年に記録さえれていた最多記録を塗り替え、MLB新記録を樹立することになった。ポーセロ投手が新記録達成の記念すべき投手になったというわけだ。

 これまでもMLBでは様々な記録をしっかりチェックしているが、なかなか日本では意識しないような“珍記録”だろう。これからも可能な限り、MLBが取り上げる様々な面白記録を紹介していければと思っている。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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