アマゾンのクラウドの障害により金融取引にも不具合が生じる
データなどを外部サーバーで管理する「クラウドサービス」の最大手、米アマゾン・ウェブ・サービスは2日午後、日本で発生した障害が復旧したと明らかにした。回復までに約6時間かかり、メガバンクやインターネット証券、通信、運輸、小売業界でシステムに不具合が生じるなど、影響は広範囲に及んだ(2日付共同通信)。
障害は2日午前7時半に発生し、午後1時42分まで続いた。スマートフォンで住所変更などを行う三菱UFJ銀行のアプリ、みずほ銀行のスマートフォン向けネットバンキングのアプリ、松井証券やSBI証券などネット証券のサイトを閲覧したりするのに支障が出たようである。
クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、コンピューターの利用形態のひとつ。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスである。これを利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使用する(NECのサイトより)。
米アマゾン・ドット・コムは通販会社と思っている人も多いかもしれないが、その収益源はむしろクラウドサービスにある。日本企業もアマゾンのクラウドサービスを利用しているところが多いことを今回の障害で知った人も多いかもしれない。
今回は金融だけでなく、NTTドコモや日本航空、全日本空輸の一部サービスやシステムにも不具合があった。
金融については基幹インフラとして日銀と取引金融機関を繋ぐ日銀ネットがある。金融機関同士は全国銀行資金決済ネットワーク(全銀システム)があり、銀行毎にシステムを構築している。
しかし、スマートフォン向けのアプリなどでは、このようにクラウドサービスが使われているようである。
今回、SBI証券では、顧客が取引画面にログインしづらくなるなどの問題が起きた。楽天証券や松井証券、マネックス証券などでも株価情報の表示に不具合が発生。三菱UFJ銀行やみずほ銀行では、アプリがつながりにくい状態となった。
私はパソコンを使うことが多いが、若い人達はスマートフォンで金融取引を行っている人が多いと思われる。銀行のシステムに問題がなくても、クラウドサービスの障害によって金融取引に支障が出る可能性があることが今回のアマゾンのクラウドの障害によって明らかとなった。