携帯電話の買い替えをした世帯の実情をさぐる(単身世帯・二人以上世帯編)(2024年公開版)
多機能さから魔法のアイテムのような存在の携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話の双方)。世帯ベースではどれぐらいの割合で買い替えが行われているのか。内閣府の消費動向調査(※)の結果から、世帯種類別(単身世帯(世帯主のみ)と二人以上世帯(世帯が二人以上で構成))にその実情を確認する。
最初に示すのは、世帯種類別の買い替え率。
二人以上世帯の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなるのはものの道理。二人以上世帯では2割台の割合で携帯電話の買い替えが行われている。
続いてこれを買い替え理由で区分したのが次のグラフ。
「住居変更」以外のどの属性も単身世帯より二人以上世帯の方が高い値を示している。個々の属性内全体に占める各理由別の比率は大きな違いはない。やはり二人以上世帯の方が全体の値が大きいのは、単純に買い替える可能性のある人の数が多いからなのだろう。
最後は直近年における各種属性別の動向。
男女別では世帯種類を問わず男性の方が高い値が出る。世帯主年齢階層別では30代が高い値となり、それより年上はおおよそ値が漸減する動きを示している。ただし二人以上世帯ではいくつかの年齢階層でイレギュラーな値が出ており、29歳以下では該当世帯数の少なさが原因、40~49歳・50~59歳の高さは世帯内の子供による買い替え需要が影響しているものと思われる。
そして世帯年収別では低年収世帯で低めの値となる。これは世帯種類による傾向の違いはない。
携帯電話は新機種の展開に伴う買い替え需要が大きいため、iPhoneの新機種発売やau、ドコモの参入といった大型のイベント発生時における買い替え状況の動向を見たいところだが、残念ながらデータは2014年分以降しか公開されていないため、今回のような形となった。今後新たな、携帯電話市場を大きく揺るがすようなイベントがあれば、それを反映した値が示されるに違いない。
また、新型コロナウイルス流行の影響で多くの携帯電話販売店では規制が取られる形となったが、少なくとも買い替えのデータに限ればその影響は生じていない。あるいは新規契約者に影響が出ているかもしれないが、今件データからはその実情は把握できない。
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※内閣府の消費動向調査
今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。