経団連会長からも金融政策の正常化を求む声が
経団連の十倉会長は18日の記者会見で、日銀ができるだけ早期にマイナス金利政策の解除など金融政策の正常化に動くべきだという考えを示した(18日付NHK)。
さらに十倉会長は「マーケットとそごを来すような金利政策は経済を殺してしまう。金利は経済の体温と言われ、経済の健康状態がどうなのかを測るものなので、できるだけ早く正常化すべきだ」と述べ、日銀ができるだけ早期に金融政策の正常化に動くべきだという考えを示した。
経団連の会長から、これほど日銀の正常化に向けての踏み込んだ発言はこれまで聞いたことはなかったかと思う。しかもタイミングが日銀の金融政策決定会合の開催日というのも興味深い。
経済界からもあらためて、日銀に金融政策の正常化を求める発言が出たということは、日銀にとっても無視できるものではない。
「金利は経済の体温と言われ」という発言からは、現状の体温がマイナスということは(マイナス金利政策)、日銀は日本経済もマイナスの状態にあるとしているのかと問うているようでもある。
日銀は19日の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持を決めた。1月の会合でのマイナス金利政策の解除を示唆することもなかった。
なお、経団連の十倉会長は、できるだけ早期にマイナス金利政策の解除など金融政策の正常化に動くべきだという考えを示したように、「正常化」に動くのであれば、必要なのはマイナス金利政策と長期金利コントロールの完全解除、そしてフォワードガイダンスの修正も込みということになろう。