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2020年東京オリンピック 天気はどうなる?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりました。計画では、オリンピックの開会式が7月24日。天気はどうなるのでしょうか。

開会式の晴天率は53%

7月下旬の東京といえば、梅雨が明けて、夏空が広がり始める頃です。

東京の7月24日の天気出現率を過去30年間で見ると、晴れ53.3%、曇り20.0% 、雨26.7%となっています。

これは平均的な話ですので、梅雨が明けていない年もあったり、明けていても高気圧が安定せず、天気がぐずつく年もあります。

2008年の北京オリンピックは開催決定後、開会式を縁起の良いとされる8にこだわって8月8日午後8時からに変更したそうですが、もし東京も今後、日程を多少、変更するのが可能であれば、より天気が安定する8月にずらすと、晴天率は上がることになるでしょう。

史上最も暑いオリンピックに

ただ、多少、期間をずらしても、心配なのは暑さです。

森田さんも書いているように、オリンピック期間中は、かなりの暑さになる可能性があります。これまで高温の中で開かれたオリンピックと、東京の平年値を比べると、期間中の平均最高気温は北京よりも高く、アテネとほぼ同じ。しかも、アテネは高温が出る日の湿度が20%前後など下がるのに対して、東京は最小でも50%前後という日もしばしばです。

気温・湿度などから計算するWBGT(暑さ指数)で見ると、「運動は原則中止」「厳重警戒」になる日が多く、2020年の東京は史上最も暑いオリンピックということになりそうです。

急な豪雨への備えを

高気圧が強まると晴れやすいが、高温になる。反対に、高気圧が弱まると、暑さは少し和らぐものの、急な豪雨や雷雨が起こりやすくなる。東京の7月下旬~8月は、そんな天候です。当然、シビアな気象現象が近づいた際は、中断・日程変更などの判断もふくめて、対応が必要になってきます。

長野オリンピックや、サッカー日韓ワールドカップの際は、競技場に気象予報士が張りつくなどして、ピンポイントの気象情報が提供されました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも同様の備えが、おそらくされるでしょう。

選手はもちろん多くの観客にも、危険な気象現象が近づいたら知らせるとともに、具体的な行動まで情報として提供する。そんな防災情報の先端を、世界から来る方が目にして、広がる機会になればと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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