国債の利払い費の想定金利は1.9%に引き上げか
政府は2024年度の一般会計当初予算案で、国債の利払い費の想定金利を2203年度の1.1%から1.9%に引き上げる方針だと20日に日本経済新聞が伝えた。与党との調整を経て22日に閣議決定する。
国債の利払い費の想定金利はこれまでの7年間、1.1%に据え置かれていた。7年前といえば、日銀のマイナス金利政策や長短金利操作付き量的・質的金融緩和が決定された年でもあった。
日銀は10月31日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロールの柔軟化を行った。長期金利の目標を引き続きゼロ%程度としつつ、その上限を前回の0.5%から1.0%に引き上げて「目途」とすることで、かなり曖昧なターゲットにした。これにより、1%で何としても止めるということはしないことを示した。
具体的には毎営業日連続の指値オペを修正し、毎営業日連続での指値オペのオファーはなくなった。
これによって長期金利が1%を超えることも想定されたが、長期金利は11月1日に0.970%まで上昇し、目先はここが直近の最高利回りとなった。その後は低下に転じ、20日には0.6%を割り込んできた。
しかし今後、日銀が金融政策の正常化に向けて動くことも、たぶん、予想されることで、長期金利が1%を超えてくる可能性はある。
財務省は、市中発行する利付年限債のうち20年物の発行減額を前倒しし、2024年1月から月次発行額を2000億円減らす方向で調整に入ったと、こちらはロイターが報じた。
直近の20年国債の入札は、テールが12月は82銭、10月は53銭、8月は96銭と大きく流れることもあるなど、やや低調な結果となることも多かった。
日銀が長期金利コントロールに対して政策修正を繰り返したこともあり、それでなくても日銀が大量に国債を買い入れていることで流動性も低下しており、国債利回りが大きく揺れ動いていた。
20年国債そのものに対する投資家ニーズが、やや低下しているとの見方もあり、4月を待たずに減額を前倒しすることになったようである。