きのう6日、あいにくの雨模様となった鳴尾浜に、新人選手がやってきました。年明け最初の“行事”、ルーキーたちの入寮です。そういえば入寮日が雨というのは珍しいかもしれません。ことしは社会人が3人、大学生1人、高校性1人ということで、親御さんの付き添いはドラフト5位の植田海選手だけでしたね。滋賀から車でご両親と一緒に、10時15分頃の到着。

そのあと11時半頃に守屋投手が着き、お昼ごろに横山投手と江越選手、14時頃に石崎投手という順番に入寮しています。いったん部屋に入り、布団や荷物をあらかた片付けてテレビや新聞の写真撮影。それから寮の玄関ロビーで記者陣の囲み取材という段取りでした。

なおドラフト1位の横山投手は室内での撮影に加え、ここ数年は定番になっているベランダでのガッツポーズ写真の時間があります。まだ小雨が降っていたんですけど、私もプロカメラマンさんにまじって撮ってきました。両手でのガッツポーズ、次に上着を手に持って肩にかけるポーズ(刑事ドラマ風？)、そのまま片手でガッツポーズという３パターンのリクエストに対応。冒頭の写真です。

ではドラフト指名順にコメントをご紹介します。

1位 横山雄哉 投手(20)　新日鐵住金鹿島

入寮を済ませて今の気持ちは？「もう、きょうからずっと、ここに住んでいくんだなと。阪神タイガースという、すごいとこに入団したんだなと気が引き締まりました」。山形を出る時に寂しさはなかった？「そんなになかったですね。3年間離れていたので、それほど思わなかったです」。ご両親からの言葉は？「普通に、頑張って！という感じ」

何か、特に持ってきたものは？「全部置いてきました」。え、全部？「持ってきたのは野球の道具と服くらいです」。あえて置いてきたということ？「はい。前の寮にあったものは人にあげたりして。テレビやカメラ、野球用具、それと車も置いてきました。鹿島に」と言います。そりゃまた…なんと気前のいい。「いいかなと思って。山形へ持って帰りたかったけど、スタッドレスを履いていないから乗れないんで」。チームメイトの皆さんは喜んでいますよ。

じゃあ今は部屋に何もない？「ほとんど持ち込んでいないですね」。野球道具は？「グローブも置いてきたので、今まで使っていたものはありません。新しく作ったものだけです」。思い入れがあるものもあったでしょう？「今シーズン使っていたグローブ、くらいですかね」。一からのスタート、という決意に「特に理由はないんですけど…」と苦笑いだったルーキー。合同自主トレに向けては「山形でしっかりやってきたので大丈夫です！」と笑顔でした。

2位 石崎剛 投手(24)　新日鐵住金鹿島

今の心境は？「やっぱり新天地ということもあり、すごく新鮮な気持ち。やってやるぞという思いです」。持ってきたものを聞かれ「必需品として、アロマを持ってきています。試合前とか興奮状態で、夜眠れない時があるので」と答えた右腕。これには取材陣も即、食いつきましたよ。

去年からやっているというアロマですが、香りの種類はわからないとか。「独特の匂いで、羊の絵が描いてあります。寝られない時に羊が1匹、羊が2匹って数えるじゃないですか」。あ～なるほど。睡眠を助ける種類なんでしょうね。「ずっと同じものを使っています。それまでは音楽を流したりしていましたが、あまり効かなくて。目をつぶっても1時間ほど眠れなかったりしたけど、これは効果あります」

器具は高い？「いえいえ、1200円くらいの安いものです。フィルターにちょっと垂らして、ひとまず5分くらい。5分で寝られる時もあるけど、2回押す時もある(笑)」。今回持参したのは、その羊柄の1種類だけだそうです。そして「これはもう絶対にないとダメってくらいのもの。遠征先にも持っていきます！」と宣言。

最後に、合同自主トレには「実家で最低限のことはやってきたので大丈夫です、肩の調子も、このまえ初投げしましたけど問題なかった。焦らず自分のペースでしっかりやっていきたい」と話していました。

3位 江越大賀 外野手(21)　駒澤大

部屋に入ってみて、どんな感じ？「大学とは違い、広くてきれいな部屋だなと思いました。荷物は大学で使っていた物をほとんど持ってきています。特に変わった物はないですねえ」

持ってきたパソコンの壁紙が、大和選手の写真でしたね？「はい。日本シリーズの時、大和さんがすごい活躍しているのを見て、自分もいつかあの舞台でプレーできたらいいなという思いで(設定)したんです。日本シリーズは、大学の寮で見ていました。ほとんどリアルタイムで」。来年の今頃はあそこにいるぞ～って？「いやそんな…(笑)。いつか自分も立てたらいいなという思いで」

パソコンは良く使うほう？「そんなに使わないんですけど、授業のレポートだったり、そういう時に使っていました」。打つのは得意？「…苦手です」。あら、そうですか。これからは？「YouTubeなどで他の選手がどんなプレーをしているのかを見て、いいところを盗んでいきたい」

4位 守屋功輝 投手(21)　Honda鈴鹿

入寮の感想は？「やっと始まったという気持ちです。実感が湧いてきました」。寮生活は初めてじゃないですよね？「緊張がないことはないけど、たぶん大丈夫です。改めて、プロに入ったなという印象です。色紙をたくさんいただいたので持ってきました。Hondaとか、少年野球とか、高校とか」。それぞれの時代のチームメイトに寄せ書きしてもらったものだそうです。メッセージ入りの小さなグローブもありましたね。

奥さんからは手紙をもらったみたいですが、内容は「ナイショです」と。そりゃそうでしょう。それと“けん玉”。「最近はやっていなかったんですけど、気分転換にはなりますね。小学6年からやっています」。運動前にやるといいかもしれませんね。これからも？「たまに、ですね。秘訣？慣れじゃないですかねえ。確かに集中力はつくと思います。野球に生かせたらいいですけど」

どんな技が？「日本一周、世界一周、ヨーロッパ一周とかできます」。実力のほどは？「1級くらいかなと。上には“段”があります。検定というか、それ用の紙があって、こういう技ができたら1級と書かれていて、やったら全部できたので」。なるほど、じゃあ自称ってこと？「はい(笑)。たぶん今はできないですね」。でも本当に、集中力を養うにはいいかもしれません。守屋投手にとっては、いいリラックスでしょう。

5位 植田海 内野手(18)　近江

部屋に荷物を運び終えて「寮生活は初めてではないですけど、1人部屋は初めてなので、広いなという感じでした。少し緊張してはいますね。いい緊張感を持っていきたい」と心境を語っています。

どうしてもこれだけは、と持ってきた物は？「どうしても、ってのはありませんが…信楽焼のタヌキを持ってきました。家にあっただけですけど。阪神タイガースのハッピを着たものです。信楽焼は地元の名産品だし、タイガースということで」

新人合同自主トレが始まれば、もうドラフトの順位は関係ないですね。「5位でもみんなに負けないよう、しっかりついていきたいと思います」。守備も？「それが自分のできる部分なのでアピールしていきたいです」。グローブは新しいもの？「はい。新しいのを作ってもらいました。自分の好きな感じに、軽いのを。高校の時のより小さくて軽いです」

例年通り、部屋に荷物を運びこんだあとは家電などの買い出しに出かけたようですね。特に横山投手は、本当にバッグ1つだけでの入寮だったので、買い揃えないといけないものがたくさんあるでしょう。寮生たちはまだ戻ってきていませんが、これから自主トレに鳴尾浜へやってくる先輩方もあるので、まずはしっかり挨拶しなくちゃいけませんね。

西田選手が“第1号”

その寮生ですが、西田選手がきのうの夕方に戻ってきました。おそらく一番乗りだと思われます。西岡選手や日本ハムの中田翔選手と西宮市内で一緒に自主トレをするので、鳴尾浜から通うとのこと。「すごい一流の選手とやらせてもらえるので、自分からどんどん聞いていきたい！」と張り切っています。なお年明けに行った初詣で引いたおみくじは『小吉』だったものの「悪いことは書いていなかった」そうです。ことしの西田直斗カラーは「白とゴールド」。勝負の4年目が始まります。