“ラーショ界最強”の呼び声も高い「ラーメンショップ 牛久結束店」は何が凄いのか?
「ラーメンショップ」。通称「ラーショ」。
1970年代~90年代頃にかけて、関東から東北・瀬戸内などに広がっていったラーメンのフランチャイズチェーンである。ロードサイドで大きな文字で「ラーメンショップ」と書かれた赤い看板を見たことがあるという人も多いだろう。
東京都大田区にある椿食堂管理有限会社を本部として展開しているフランチャイズチェーンとして知られるが、個々の店の細かな契約形態などについては公にされていない。
ほとんどの店で“豚骨醤油ラーメン”を提供しているが、味の統一感がなく、行く店行く店で味が違うというのがお決まりだ。噂によると、本部からは豚骨醤油ラーメンの作り方のノウハウと、麺・タレ・丼鉢が提供されるのみで、他は各店の自由度が高いのだという。
「かつて流行ったラーメン」の代名詞のように語られることが多く、ラーメンフリークやファンが食べ回ることも多くなかったように思うが、ここ数年、ラーメンブームの原点回帰的な動きの中でラーショにも再び光が当たってきた。
その中で、ラーショファンが口々に言う“ラーショ界最強”の店がある。
茨城県牛久市にある「ラーメンショップ 牛久結束店」である。数あるラーショの中でなぜこの店の名前ばかりが上がるのか、実際に食べに行って検証してみた。
場所はJR常磐線の牛久駅から3キロほど離れた場所。バス「かっぱ号小坂団地ルート」で牛久自然観察の森正門下車・徒歩6分となる。車では県道土浦龍ヶ崎線沿道、圏央道・牛久阿見ICから5分ほどのところにある。いわゆるロードサイド店で、駅からは歩けない。
厨房を見ればその活気は一目瞭然
営業時間は10時45分から23時30分までの通し営業で、元旦以外は毎日営業している。
筆者は開店10分前に到着したが、駐車場はほぼ満車で、開店前から店の周りを行列が囲んでいた。澄み渡る青空にラーショの赤い看板はよく似合う。
入り口で消毒と検温を済ませて、食券機で食券を購入。
ラーショ人気のメニュー「ネギチャーシューメン」を注文。麺は通常の麺と太麺を選べる。太麺を注文。
なんとラーメンは490円で餃子は200円。凄い価格設定だ。ちなみにネギチャーシューメンは840円となる。
オープンな厨房を見ると、寸胴に豚のゲンコツがパンパンに入っていてグラグラ炊いている。その後ろには柔らかいチャーシューをバンバン切るお姉さん。活気が凄く、お店がガンガン回っている感が伝わる。
太麺も味わえる自慢の「自家製麺」
具はチャーシュー、ネギ、ワカメ、ノリ。麺はなんと自家製麺だ。
ラーショで自家製麺というのは凄い。太めのストレート麺でモチモチ感が印象的だ。
スープがとにかく高いバランスでまとまっている
ラーショ感のしっかりあるスープながら背脂の甘みが印象的で、醤油もまろやかながら主張があり、かなり旨い。豚骨は濃厚すぎず薄すぎず、かなりジャストなスープで、太麺にもしっかり合うのはさすがだ。
豚骨スープの厚さ、醤油感、ラーショ独特の化学調味料の旨味をかなりハイレベルなところでバランスを取っていて、シャバシャバな感じがなく、ラーショのジャンク感を残しながらクオリティを上げているのが凄い。
具材も素晴らしい仕上がり。5枚乗る柔らかなチャーシューは噛むとホロっと崩れて美味しく、ネギもシャキシャキで辛くなく、独特の和えダレもやり過ぎ感がなくて良い。
途中で卓上の辛味噌を溶いて味変してもスープが壊れず、しっかりと旨い。
ラーメンの見た目からは他のラーショとの違いはあまり見られないが、一口食べれば随所のこだわりや技術が詰まっていることが分かる。
店ごとの決まりの少ないチェーンなだけに、牛久結束店のようにハイレベルに味のまとまる店が出てくるのもラーショの面白いところだ。
ラーメンショップ 牛久結束店
茨城県牛久市結束町504-1
※写真はすべて筆者による撮影