パソコンの買い替えはどれほどの割合の世帯で行われたのか
スマホやタブレットの普及でパソコンの必要性が減じているとの話がある。またパソコンそのものも高性能化が進み、利用可能な期間が伸びているのも事実。買い替えはどの程度の世帯で行われているのだろうか。内閣府が2016年4月に発表した消費動向調査の内容をもとに、その実情を確認していく。
次以降の値は「該当年に買い替えをした経験がある世帯」。買い替え個数などは考慮されていない。例えば1世帯で複数台のパソコンの買い替えをした場合でも(親子で一度に、兄弟一緒になどの事例は十分ありうる)、世帯上では1世帯の買い替えと見なされる。また、耐久消費財の調達には買い替え以外に新規購入の事例もあるため、各値がそのまま対象の耐久消費財の需要の増減と連動するとは限らない(もちろん多分に類似連動性は考えられる)。今件は各対象耐久消費財の買い替え動向を推し量る指標として検証する。
まずは単純な買い替え世帯率。
2014年では13.3%の世帯でパソコンの買い替えが行われている。2014年は同年4月からの消費税率改定に伴う駆け込み需要、そしてWindows XPのサポート終了に伴うOS差し換えの必要性から生じるパソコンそのものの買い替え、2つもの大きな特需要因があった。そのため、買い替え世帯比率も大きく底上げされている。直近の2016年では6.2%。大よそ16世帯に1世帯がパソコンの買い替えをしていることになる。
続いて買い替えの具体的な理由別比率。
2014年は「上位品目」と「その他」の理由が大きな割合を示している。どの選択肢に自分の買い替え理由が該当するかは回答者が判断するので一概には言えないが、OSの差し換えや駆け込み需要による買い替えでは、少なくとも「故障」「住所変更」を選ぶのは考えにくいことから、残りの2つ双方が大きく上昇するのも納得できる。
最後は直近年における詳細の属性区分別。
男性世帯の方が圧倒的に買い替え率は高く、40~50代が高めの値を示している。年収による傾向は見出しにくいが、あえて表現するならば高年収世帯の方が買替率は高いといえそうだ。パソコンを買い替えるとなれば一定額が家計から離れていくため、低年収ではなかなか踏ん切りがつかないのだろう。
パソコン離れ的な動きが進んでいるのは承知の通りで、今現在パソコンを利用している世帯が買い替えを果たさず、タブレット型端末やスマートフォンだけに移行してしまう可能性は少なからずある。またパソコンそのものの利用可能年数も伸びており、間接的に買替機会を減らすのに貢献することになる。今件値では新規購入世帯は対象外であることに注意しなければならないが、今後さらに値が減っていくことは容易に予想できよう。
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