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「全部が次につながっている」デビューから15年、久住小春の今。

中西正男芸能記者
デビューからの15年を振り返る久住小春

 12歳で「モーニング娘。」のメンバーとなった久住小春さん(27)。その後、ファッション誌「CanCam」の専属モデルとなり、2017年からはオスカープロモーションに所属しテレビ朝日「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」などで女優の顔を見せてきました。あらゆる仕事に邁進してきましたが「今思うのは、全部が次につながっているなと。前の経験があったからこそ、今があると強く感じます」と真っすぐな瞳で語りました。

前の何がなくても、今の自分はない

 これまで、本当にいろいろなお仕事をさせてもらってきました。

 アイドル時代は待ってくださっているファンがいらっしゃる。だから、どんな時でも絶対に笑顔で皆さんにお会いする。そして、待ってくださっている方がいらっしゃるから、自分たちがいられる。そのマインドを体感できたのが一番大きかったと思います。

 それと、私はちょうどその時期にアニメ「きらりん☆レボリューション」で主役の声を担当させていただきまして。

 お仕事ですから、一生懸命やるのは当たり前なんですけど、それプラス「ここで皆さんに良いと思ってもらえたら、それがグループの活動にも良い流れをもたらすはず」と考えることで、もう一つ頑張れる。そんな思いも学びました。

 また、声優という表現のお仕事を早い段階からさせてもらったことが、その後のモデルの仕事にもいろいろと役立っていますし、モデルとしての表現が女優としての演技にもつながっている。前の何がなくても、今の自分はない。本当にそう思います。

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ギリギリの精神状態

 ただ、もちろん全てが順風満帆ではなく、つらかったこともメチャメチャありました(笑)。

 まずは、芸能界に入って何もできなかった時期。何も分からないし、何をしたらいいのかも分からない。ただ、今から思うと、これは当然のしんどさというか、最初だから何もできないし、そこのつらさは当たり前のことなんだと思います。

 そこから、20歳くらいの時に舞台で主役をやらせていただきまして。これもまたデビューの頃のように、何も分からないところからのスタート。日々、監督にも怒られますし、また自分が“振出し”に戻った気がして…。

 ゼロから少しずつ積み重ねをしてきて、やっといろいろなことがやっと分かってきた中で、また最初の状態に戻る。その感覚が、自分の中ではすごくしんどかったんです。

 そのお芝居ではものすごくリアルで、ダークな役柄をさせてもらったんですけど、それまでそういう役はさせてもらったことがなく、そんな“引き出し”もなかった。でも、やるしかない。もうギリギリの精神状態でした。

 チケットも発売されている。ポスターも貼り出されている。でも、本気で「これはできない」と思ってました。あと、何日かで舞台に立っている自分が想像できない。心底、無理だと思いました。でも、でも、結果できたんで、人って何でもできるんだなとも思いました(笑)。これも自信につながりましたし、これまでの全てが自分を作っていると強く思います。

支えてくれるもの

 そうやって積み重ねながらここまでやってこられたのは、月並みな言い方になるかもしれませんが、家族の存在が本当に大きかったです。

 特に姉ですね。一時期、一緒に住んでましたし、良いところも悪いところも知ってくれている。また、それを一切遠慮なくズバッと言いますしね(笑)。

 「下手だね」とか「あれは微妙だったね」とか、本当にハッキリ言われます。ただ、家族ですから。家族はこちらが悪くなることは言わないと思うので、家族が悪いと言うことには、何か課題があるんだろうし、伸びしろもあるはず。そう考えています。

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 あと、これもありきたりな言葉になるかもしれませんけど、SNSなどでファンの方の「楽しみにしてるよ」といった声をいただくと、純粋に「頑張らなきゃ」と思います。

 特に、私は十代の頃からいろいろと仕事の形を変えながら活動してきましたけど、長く応援してくださるファンの方は、その時々の私を応援してくださる。それは、さらにありがたいことだなと感じています。

 ただ、12歳からお仕事をしているので、アイドルの時のイメージが強いのか「大人になったねぇ」と言われたりもします(笑)。

 自分では時間が経った分だけ歳をとったと感じてるんですけど、まだ十代の印象を持ち続けてくださる方もいらっしゃいまして。おかげさまで27歳になりましたので、それ相応に大人にはなっております(笑)。

(撮影・中西正男)

■久住小春(くすみ・こはる)

1992年7月15日生まれ。新潟県出身。12歳で「モーニング娘。」メンバーオーディションを受け、応募者2万人以上の中から新メンバーに選ばれる。09年に「モーニング娘。」を卒業後はファッション誌「CanCam」の専属モデルとなる。17年からオスカープロモーションに所属。女優としてテレビ朝日「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」などに出演する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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