世界のスマートフォンやタブレット型端末の市場規模実情をさぐる(2019年公開版)
世界を大きく変えた道具として筆頭に挙げられるスマートフォン。そのスマートフォンや、類似のスタイルを持つタブレット型端末の、世界規模での市場や出荷台数の実情を、総務省が2019年7月に公開した、2019年版となる最新の「情報通信白書」の内容から確認する。
最初に示すのは、世界のスマートフォンの市場の規模や出荷台数の現状と、2021年までの予想。2018年までが確定値で2019年以降は予想値。データの一次ソースはアメリカ合衆国の情報調査機関IHS Markitのテクノロジー部局IHS Technologyとなっている。なお出荷台数はあくまでもその年に出荷された台数であり、その時点で利用されている台数ではないことに注意。
白書では出荷台数などについて「2015年以降横ばい傾向が続いている」「今後は、緩やかな増加傾向が見込まれている」「新興国市場向けを中心に低価格な端末が増加することから、金額ベースでは横ばいないし減少傾向で推移する」と説明している。公開値は2014~2021年の範囲だが、おおよそその通りの状況となっている。出荷台数が漸増しているにもかかわらず出荷金額に大きな増減が見られないのは、単価が落ちているからに他ならない。
続いてタブレット型端末。こちらはタブレット型端末に寄せられているであろう期待感とは異なる現実が見えてくる。
出荷台数は確定値、予想値双方とも、おおよそ右肩下がりの状態。出荷金額も2016年をピークに減少傾向に。この動きについて白書側では「スマートフォンやウルトラブックといった超薄型ノートパソコンなどとの競争などから、コンシューマー向けの市場で世界的に低迷が続いている」と説明している。恐らくはこれに加え、スマートフォンの大型化、さらにはいわゆるファブレットと呼ばれるスマートフォンとタブレットの中間的なポジションにある端末がスマートフォンとして発売される機会が増えているのが要因だろう。
日本では子供向けの教材的なポジションとしてタブレット型端末は注目されており、また家庭内での持ち運びが容易で操作画面も大きいインターネット端末としての有益性も示されている。しかしながら必要性の度合いとしては、スマートフォンと比べて相当低いポジションにあるのも否めない。市場動向がその実情を示していると考えれば、今回の結果も納得ができよう。
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