阪神ファームは3本の三塁打で逆転勝ち!3位に浮上しました。
16日も阪神甲子園球場でソフトバンク戦が行われました。開門時のお出迎えは藤原投手、秋山投手、陽川選手、一二三選手の4人。入場してすぐ席の確保に向かい、そのあと選手と握手しに戻ってこられたお客様で野手2人に遭遇できなかった方があるかもしれませんね。野手はシートノックがあるため先に引き揚げるので、ご注意ください。
さて試合は1回に先制するも、すぐ逆転されました。しかし終盤に再逆転して逃げ切り!引き分けを挟んで今季初の3連勝となり、5勝6敗2分けで3位に浮上。とはいえチーム防御率は3.00まで回復したものの、チーム打率は相変わらず.204。大きく引き離されてのリーグ最下位ですけど…何か?なお両チーム合わせて12安打のうち6安打が長打、しかも阪神は5安打で単打は1本だけという試合でした。
《ウエスタン公式戦》4月16日
阪神-ソフトバンク 3回戦 (甲子園)
ソフ 020 000 000 = 2
阪神 100 000 20X = 3
◆バッテリー
【阪神】白仁田-山本-○小嶋(1勝2敗)-西村-高宮-S玉置(3S) / 日高-小宮山(9回表)
【ソフ】大場(6回)-●新垣(2敗)(1回)-江尻(1回) / 拓也
◆三塁打 荒木2、塚田、緒方
◆二塁打 真砂、中谷
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]左:緒方 (4-2-2 / 1-0 / 0 / 0) .333
2]三:荒木 (3-2-1 / 0-1 / 1 / 0) .350
3]右:伊藤隼 (3-0-0 / 3-1 / 1 / 0) .000
4]指:森田 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .256
5]捕:日高 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .333
〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .286
6]遊:北條 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .158
7]二:西田 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .100
8]一:中谷 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .196
9]中:横田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .111
〃打中:柴田 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .250
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)
白仁田 5回 91球 (6-3-1 / 2-2 / 3.00)
山本 1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 4.15)
小嶋 1回 12球 (0-0-0 / 0-0 /13.50)
西村 0.2回 6球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00)
高宮 0.1回 2球 (0-0-0 / 0-0 / 0.00)
玉置 1回 9球 (0-2-0 / 0-0 / 6.00)
緒方、荒木、中谷の5安打だけですが…
白仁田は1回、先頭の福田を四球で出し、1死後に二盗、三盗と立て続けに決められますが後続を断って無失点。その裏の攻撃で、緒方の中前打に続き荒木が右中間へタイムリー三塁打!しかし2回、白仁田が吉村の中前打と塚田の右中間タイムリー三塁打という、直前の阪神とまったく同じパターンで同点に追いつかれました。
その後の白仁田は4回に塚田と金子の連打、5回も高田の中前打を許しながらも追加点は与えず。こちらも3回に荒木が2打席連続の三塁打、5回には中谷が左中間二塁打と暴投で、ともに1死三塁のチャンスを作りますが、無得点。6回は伊藤隼、森田、日高が3連続三振。
7回に小嶋が三者凡退に切って取ると、その裏に反撃します。1死から西田が降り逃げ(三振と暴投)で出塁して捕逸で二塁へ。2死後に代打・柴田が四球を選び、続く緒方は一塁線を破る三塁打!2人が還って逆転成功!8回は西村と高宮が3人で片付けます。2人合わせて、わずか8球でした。9回は玉置がチェンジアップと真っすぐによる2奪三振などで三者凡退締め。1点差で逃げ切っています。
きょうも平田監督のコメントからです。「白仁田はまずまずやな~。こんなもんじゃないよ。もっともっと力を出さんと。西村はだいぶ球の力が戻ってきた。小嶋も球に力がある。それを5イニング続けろってね(笑)。きっかけをつかんでくれればいいな。高宮も短いイニングでしっかり抑えているし。山本は、小器用だからいろいろ工夫しとる。見ていて投げっぷりがいいよ。玉置も小宮山がいい引き出し方をしていたね。リリーフ陣もだいぶ落ち着いてきた。開幕投手は1軍との兼ね合いもあってバタバタしたけど」
「打者はクリーンアップがまだまだやなあ。伊藤隼は(復帰したばかりで)これからだけど」と9三振を喫したクリーンアップに言及しました。「柴田の四球だよ。きのう左ピッチャーに3タコだったけど、いい内容。やっぱり違うよ、柴田はね。荒木も素晴らしい。足もだし、十分に1軍でいけるバッティングも。力を持っているよ。今、荒木がいい」
「緒方も打ったね。外野は大変だよ。緒方、柴田、隼太」と言ったところで、みんな“た”で終わることに気づいた平田監督。「慎太、横田、平田、キー太、なかた…に!」と続け、自ら爆笑しました。そして「いっぱいおる。競争しなくちゃ!こういう緊張感のあるゲームをやって力をつけていくんだよ」とゲキを飛ばしました。
大崩れしなかった白仁田
公式戦初先発の白仁田投手は、今季最長の5イニングを投げました。「スライダーの握りを変えたのが合わなかったのか、最初が悪すぎ。故障明け、あまりにもスライダーが曲がらなくて去年のものに戻したらよかったので、きょうはそれで投げた」そうです。昨年も、130キロ前後の“速いスライダー”と、135キロ前後の“もっと速いスライダー” の2種類を投げていた白仁田投手ですが、後者は「まったく曲がっていませんね」と苦笑い。
「序盤は大量失点するかと思っていたけど、きょうはセットポジションがよくて助かりました。4、5回くらいからよくなって、去年みたいな感覚だった。次につなげたい」と話しています。まだ最速は141キロですからね。真っすぐの球速もこれから戻ってくるでしょう。
小嶋投手は「オープン戦から、ことし初めてまともに抑えたと思う。今季初勝利、ですね」と笑っていました。小嶋投手も故障明けで「やっと最近、変化球でも思いきり腕を振れるようになりましたね。(去年6月)スライダーを投げた時にヒジを痛めたので、多少気にしていたんですが最近は気にならなくなって。もうスライダーも大丈夫です」とのこと。
高宮投手は「きょうは出ないかと、出ても相手が右打者に変えてくるかと思っていました。連投テストかもしれませんね」と言います。一緒にいた日高選手が「毎日2球ずつやなあ」と。確かに2日とも2球で、しかも変化球の120キロ台。「真っすぐ投げたら150キロ出ますよ!ね、日高さん」「うーん、136キロくらいかな」…こんな会話を交わしながら帰っていきました。
三塁打2本も「たまたま」と荒木
三塁打2本に1盗塁と気を吐いた荒木選手ですが「結果はたまたま」と淡々。とはいえ監督が「素晴らしい」と絶賛するくらい、走塁でも打撃でも結果が出ていますね。「来るボールに対して、どういう風に打っていくか、いかに芯に当てるか、ヒットを打てるか考えながら打席に入っています」
代打で選んだ四球を監督が評価していた柴田選手は「いやいや、何もしていませんよ」と笑っていました。ここではなく1軍で仕事をするために「とにかく頑張るしかないので」と言います。また右手のケガから復帰した''伊藤隼選手'''は公式戦初出場。しかし「3番、4番、5番で合計9三振ですからねえ。よく勝てたと思います」と苦笑するのみでした。
先月23日以来、公式戦2度目のスタメンで、甲子園初出場の横田選手は「(テーマソングは)集中していたから聞いてなかったです。集中していたのに打てなかった…。打ちたい気持ちが先走りました。しっかり抑えていかないと」と反省。守備では「風と芝とが難しかったですね。バッティングより守備に気持ちがいっていた」と言います。
果敢にダイビングキャッチを試みて「捕れると思ったけど」結果はヒットになったものも。来週また甲子園で中日3連戦があるから頑張りましょう。「あ、またあるんですか?はい!」。少し顔が明るくなりました。
目に見える形で結果を出したい!
締めは緒方選手。逆転の2点タイムリー三塁打はお見事!緒方選手ならではの三塁打です。「柴田さんがああやって粘って四球でつないでくれたので、ここはもう還すしかないなと思いました。その前のセカンドゴロも感じはよかったから、思い切っていこうと。やっぱり最初にヒットが出ると楽ですね」
1軍クラスの投手からの2安打で「大場さんは大学の先輩。今のところ東洋大の先輩との対戦では良い結果が出ていたので、きょうも胸を借りるつもりでいきました。高めの真っすぐです」と初回の1打席目に中前打。そして7回は新垣投手に対し「インコース低めのスライダーで、すごくいい形で反応できた。バットの出方も良くて、切れずにフェアゾーンに飛んでくれた」という三塁打です。
ちなみに5回のセカンドゴロは、前進守備でなければヒットになっていた?「そうですね、ライト前に抜けたと思います。高田にやられた!何よりもそれが悔しい」。ソフトバンクの高田選手は同い年で、大学(東洋大と亜大)時代もよく対戦している間柄だけに、負けたくない思いは一段と強いのでしょう。
「ショートを守ってくれていたらよかったのに、きょうに限ってセカンドにいたし。(攻守)交代の時に“お前が捕ったからや”ってジェスチャーをしたら“やってやった!”みたいなリアクションをするので、余計に腹が立ちましたよ!」と言いながら、顔は思いきり笑っています。緒方選手にとって大きな刺激となる同期のひとり。きっと高田選手もそうに違いありません。1軍の交流戦で会うことを楽しみにしています。
「いつ1軍に呼ばれてもいいよう、目に見える形で結果を出していきたい」。再昇格可能になった緒方選手は、そう言って表情を引き締めました。