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【東広島市】最新テクノロジーで炭素排出削減、埋め立てごみゼロを実現!

中本祥二地域発信ライター(東広島市・三原市)

東広島市で集められたごみを収集処理していた「賀茂環境衛生センター」(東広島市西条町上三永)は昨年9月を以って閉鎖されて、近隣に新たに「広島中央エコパーク」がオープンしました。 ※市内黒瀬町国近の「賀茂環境センター」は従来通り稼働しています。

新設の「広島中央エコパーク」は最新のテクノロジーを駆使して、様々な方法で環境負荷の低減を図っています。実際に施設を訪れて、内部を見学させていただきました。

エコパークの外観です。「高効率ごみ発電施設」と「汚泥再生処理センター」に分かれています。

「高効率ごみ発電施設」は東広島市・竹原市・大崎上島町の2市1町から集められたごみ(燃やせるごみなど)を搬入します。そこからクレーンで持ち上げてガス化溶融炉へと運ばれ、処理されます。そこまでの行程は、以下の写真の通りです(いただいたパンフレットより。)

ごみは炉底で溶融され、水の中で処理されてやがて「メタル」と「スラグ」になります。「メタル」は建設重機の重し、「スラグ」は道路舗装として再利用されます。

メタル(1枚目)と「スラグ」(2枚目)です。

ガス化溶融炉でごみをガス化し、燃焼した後の高温のガスはボイラーを通り、ボイラー内の配管内の水が水蒸気になり、その水蒸気がタービン発電機を回すことで発電されます。その発電量は1日あたり約6500キロワット!そのうち約2000キロワットがエコパーク内の電気として使われ、残りは売電されます。ごみ処理によりCO₂は排出されますが、発電することにより排出量以上のCO₂を削減できています。

ボイラーで出てきた灰は、ろ過されて製錬所に運ばれ、やがては亜鉛、銀などの物質へと変わります。

制御室の様子です。24時間365日、施設内の機械が制御されています!

「汚泥再生処理センター」では東広島市・竹原市の2市から集められたし尿・浄化槽汚泥を処理します。汚泥脱水機により水分と個体へと分離します。前者は脱窒素処理、薬物処理を経て下水道へと流され、後者は「助燃剤」となって高効率ごみ発電施設での発電に活用されます。

この「広島中央エコパーク」が完成するより以前は埋め立てごみが発生していて、賀茂環境センターの最終処分場で埋め立てていました。しかしそこの容量が一杯になった後どうするかが課題となっていました。そこで登場したのが、この「広島中央エコパーク」のごみ処理技術。資源の再利用を図って循環型社会の形成、CO₂排出量削減が実現することとなりました。

ツアー見学では職員さんによる丁寧な説明で見学をすることができます(小学生の子どもたちが大勢訪れているそうです)。ツアー見学をご希望の方は事前にお電話ください。なお、職員さんの説明なしでも受付を済ませると自由に見学することもできます。

広島中央エコパーク

事業主体:広島中央環境衛生組合(一部事務組合)
広島県東広島市西条町上三永10759-2
見学可能日:火曜日~金曜日の9:00~16:45(祝祭日や年末年始、夏季休業期間、臨時閉館日を除く)
電話番号:082-426-0820

地域発信ライター(東広島市・三原市)

東広島市に居住しております。フリーライター、「芸備線ディスティネーション協会」会長、小売店アルバイト店員。日本経済新聞コラム「私見卓見」や無印良品Webマガジンに寄稿致しました。東広島・三原の良いお話を発信してまいります。※日経新聞以外に以下新聞の投稿欄に掲載いただけました。中国新聞、北海道新聞、徳島新聞、熊本日日新聞、人吉新聞 ※安芸太田町のNPO法人賛助会員・島根県邑南町の地域おこし団体会員・世羅町と長野県の広島東洋カープファンサークル会員。

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