なぜ5月から真夏日が続出? 梅雨入りまだなく暑さ継続か
ここ数日、列島各地で30℃超えの真夏日となり、北海道でも真夏日となった所があります。
北海道をふくめ、5月から各地で30℃を超えることは、特に珍しくはありません。ただ、その暑さが毎日のように続くとなると、話は違ってきます。
暑さがいつまで続くのか、ポイントの一つは梅雨入りです。暑さの原因と今後の見通しを解説します。
二種類の暑い空気がミックス
今の暑さは、二種類の暑い空気がミックスされています。
まず、一つが、太平洋や東南アジアから来た、夏の空気です。ときどき雨を降らせに本州付近にやってきた梅雨前線が、置き土産として少しだけ残しました。梅雨前線は、こういった夏の空気の先頭部分にあたります。
5月前半と違って、やや蒸し暑くなっているのは、この南から来た空気のせいです。
そして、もう一つの暑い空気が、今回の特徴となっている中国大陸から来たものです。
中国大陸から来た高温の空気
夏の砂浜を思い浮かべてみてください。
海水よりも地面のほうが早く、熱くなります。このように、陸地は水より熱しやすい性質をもっています。
もっと広く見ると、大陸は海よりも一足早く気温が上がりやすく、この時期から真夏のような高温となることがあります。
しかも、今年の中国北部は、5月後半に雨が少なく、空気をかき混ぜる発達した低気圧の通過も少ないため、いっそう高温となり、北京など各地で40℃を超えています。
その熱い空気が日本列島に流れ込んでいます。
北海道など北で気温が上がっているのは、似た緯度から来た、この大陸の空気が大きな役割を果たしています。
このまま夏本番も暑いとは限らない
早くもこれだけ暑いのだから夏本番も暑いはず、という声も聞きますが、天候はそう単純ではありません。
気温には必ず波があり、平年より暑すぎる時期があると、バランスをとるように、いつか、どこかで低温になることがあります。
その低温になる「いつか、どこか」が、「夏本番の日本」という可能性もあるわけです。
真夏に関しては、残念ながら、まだズバリと予報できるような段階ではありません。
ただ、今の中国大陸などでの例年と違う大気の流れが、夏の天候にどう影響してくるのか、注意深く見ていく必要があります。
暑さはいつまで?カギをにぎる梅雨入り
梅雨に入って、雨がたびたび降れば、空気は冷めます。
来週(6/2~)になると、梅雨前線が一時的に本州付近に北上して雨を降らせ、高温が少し落ち着く所もありますが、まだ梅雨前線は停滞しません。梅雨入りは先になりそうで、6月中旬にずれ込む可能性も出てきています。
それまでしばらくは、この時期にしては高い気温が続いてしまいそうです。