【東京都港区】日本美術と儒教の世界に没頭!「儒教のかたち こころの鑑ー日本美術に見る儒教ー」
こんにちは。
ellyです。
今回は、サントリー美術館で開催中の「儒教のかたちこころの鑑ー日本美術に見る儒教ー」をご紹介します。
サントリー美術館は東京ミッドタウン(六本木)のガレリア内にあります。エスカレーターで3階まで上ると入口が見えます。
受付を済ませてまずはエレベーターで4階へ。600円で音声ガイドがレンタルできますので、より詳しく展示作品のことを知りたい方はぜひ活用してみてください。
なお、展示室内の写真撮影は禁止となっています。
そもそも儒教とは、紀元前6世紀の中国で孔子とその弟子たちが唱えた思想です。
日本には概ね4世紀初めに伝わったとされています。元々は為政者に学ばれていた思想でしたが、江戸時代以降は庶民にも広く普及しました。儒教の考えは、今を生きる日本人にも根付いています。
今回の展覧会では、4つのテーマごとに儒教にゆかりのある作品が展示されています。
順路に従って進むと、まずは第1章「君主の学問」という展示エリアへ。ここでは、天皇や将軍の居室内に飾られていた迫力のある作品群を鑑賞できます。これらの作品は君主のあるべき姿として、歴代の名だたる絵師によって繰り返し描かれてきました。
障壁画や襖絵など、どれも荘厳で細部まで繊細に描かれており、思わず息を呑むような美しさでした。
続いて第2章 「禅僧と儒教」では、禅僧によって儒教思想が広まっていった歴史を垣間見ることができます。中国から日本にもたらされた最新の学問を熱心に学んだ禅僧たちは、禅思想の普及とともに鎌倉時代以降影響力を強めました。
禅僧たちが歴代校長を務めた足利学校は、日本最古の学校として知られています。足利学校にゆかりのある作品として、足利学校で大切にされていた書物や国内現存最古の彫刻による孔子像《孔子坐像》など貴重な作品を鑑賞できました。
階段を下りて3階へ向かうと第3章 「江戸幕府の思想」の世界へ。とりわけ目を惹くのは狩野探幽作の《桐鳳凰図屏風》(きりほうおうずびょうぶ)(展示期間:1/26まで)。金地の屏風に華やかな鳳凰が数羽描かれた作品です。
鳳凰は儒教においては「理想の世をつくる君主の出現を予兆する聖獣」だそうで、様々な作品のモチーフに鳳凰が描かれていたのが印象的でした。
第4章では「儒教の浸透」と称し、江戸の庶民に儒教が広まっていった様子を知ることができます。江戸時代では、支配階級から一般庶民まで、儒教を学ぶ機会が充実していました。その結果、儒教思想は広く受け入れられ、浮世絵、『南総里見八犬伝』、『忠臣蔵』といった文学作品、歌舞伎の演目などバラエティ豊かな作品に儒教の考えが反映されていきます。
文学や浮世絵など親しみやすい作品が多く、第1章や第2章で鑑賞した高尚で厳かな作品とは違った雰囲気を味わえました。
儒教というとあまり馴染みはないように感じていましたが、今回の展覧会を鑑賞したことで、儒教の考え方はとても身近なものだということがわかりました。こころの在り方の理想を示した儒教は、今を生きる人々にとっても道しるべとなるような存在といえるでしょう。
なお、作品鑑賞の所要時間としては1時間程度でした。
儒教の世界を堪能したあとは、腹ごしらえも欠かせません。
サントリー美術館内併設の「カフェ 加賀麩不室屋」ではお麩を使った食事や甘味を楽しめます。期間限定で「儒教のかたち こころの鑑」展オリジナルメニューの「麩餅のごまあんぜんざい」も提供されています。
「麩餅のごまあんぜんざい」は麩餅に黒ごまの風味豊かな餡がたっぷりとかかっており、もちもちの餅になめらかなごまあんを絡めて食べると口のなかでとろけました。お口直しのしぐれ麩と一緒に食べれば甘さとしょっぱさの無限ループの完成です。
販売期間は2025年の1月26日までとなっております。期間限定メニューですので、ぜひ食の面でも儒教の世界に浸っていただければ幸いです。
【開催概要】
儒教のかたち こころの鑑
ー日本美術に見る儒教ー
開催期間:2024年11月27日(水)〜2025年1月26日(日)※作品保護のため、会期中展示替を行います。
開館時間:10時〜18時
※金曜日および2025年1月25日(土)までは20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(1月21日は18時までの開館)、12月30日(月)〜1月1日(水・祝)
入館料:一般 1,700円 大学・高校生 1,000円 中学生以下無料