日本の100年間に渡る人口推移を子供・成人・高齢者で仕切り分けしてみると(確定報)
2015年分の実施で100年周年となった国勢調査。都合100年分となる国勢調査の時系列データをもとに、一世紀に渡る日本の主要年齢階層区分の人口比率を確認していく。
次以降に示すのは1920年に始まった5年単位で実施している国勢調査において、年齢階層を「0~14歳(子供)」「15~64歳(成人)」「65~74歳(前期高齢者)」「75歳以上(後期高齢者)」に区分し、各階層ごとの人口比率・人数を換算したもの。
まずは単純に各階層を積み上げた形のグラフ。各年の最上部にある赤い数字は総人口を意味する。また「不詳」は言葉通り年齢不詳の統計値。2015年は速報段階の値を用いているため、他の確定値と比べていくぶん多めの値が出ている。
1950年~1955年、1975年~1980年は前後時期と比べ0~14歳人口が有意に増加している。これはいわゆる「第一次ベビーブーム」「第二次ベビーブーム」による結果。また総人口は1975年から上昇率が緩やかになり、子供+成人人口は横ばいから緩やかに減少し始め、65歳人口の上乗せで総人口が微増している現象が確認できる。
そして国勢調査の限りにおいて、太平洋戦争による減少を示した1945年以外では、2015年ではじめて前回調査比で総人口のマイナス計上が確認されることとなった。特に成人人口の減少が著しく、前期・後期高齢者が大きく増加している様子も合わせてつかみ取れる。
これを各年の総人口に占める比率で再構築したグラフが次の図(「不詳」は除外して再計算している)。第一次はともかく第二次ベビーブームは、子供人口比率にさほど大きな影響は与えなかったこと、1955年からすでに「総人口に占める子供の比率低下」現象は起きていたことなどが確認できる。
第二次ベビーブームの余韻も過ぎ去った1985年以降の少子化傾向は顕著なもので、1950年以降に見られた子供人口比率の低下と似たような減少率を見せている。しかし1950年以降の場合はその分成人人口比率が増加したのに対し、1985年以降は65歳以降の人口比率が上昇しているのが大きな違いとなる。
現時点で最新の2015年分においては、14歳以下人口が12.6%・15~64歳が60.7%・65歳以上が26.6%となっている。子供人口が労働力になり得ないことを考慮すれば、成人2.28人で高齢者1人を支える計算になる。
これらの数字を見ても、短期的なものではなく、中長期的な視点から、そして社会基盤や環境なども考慮した上で、高齢化の社会情勢に対する方策を模索し、実行する必要性が理解できよう。
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※今件記事は2016年7月に展開した「日本の100年間に渡る人口推移を子供・成人・高齢者で仕切り分けしてみると」に関し、2017年1月に該当項目の確定報が発表されたのに合わせ、各種情報を更新したものです。数字の上で多分の差異が確認されたことから、改めて掲載します。