ハマスに8歳と15歳の娘二人を拉致され 母親はもう限界「すぐに返して」拉致の様子はSNSで配信された
イスラム組織「ハマス」によってイスラエルから拉致され人質となっている人の数は240人を超える。
戦闘開始から7日で1ヶ月。突然、家族を奪われ、連絡も消息もわからないまま只管解放を待つ人たちへのインタビューを続けてきた。
中には、生後9ヶ月の赤ん坊が家族ごと拉致されるケースもあった。
イスラエル国防軍によるガザへの空爆や地上戦で、ガザ市民の死者は9000人を超えていてる。捉えられている人質の安否は多くがわかっていない。
今回、8歳と15歳の娘が拉致され、消息がわからなくなっているイスラエル人の母親、マーヤン・ジンさんにインタビューした。
二人の娘はイスラエル南部ナハローズで暮らす、元夫の家族のもとに遊びに行っていた際、先月7日早朝、ハマスによって拉致された。元夫の家族は殺害され、娘たちの様子はハマスの戦闘員がSNSを使ってライブ配信した映像で知ることになった。
あれから1ヶ月、解放を待つマーヤンさんは「もう限界」と肩を落とす。一刻も早い救援が必要だ。日本として何ができるのか、マーヤンさんにインタビューした。
堀・Mielさん)
どのような状況で拉致されたのか教えてください。
マーヤンさん)
私の名前はマーヤンで、娘たちが2人、ダフナとエラ。ダフナが15歳でエラが8歳。娘2人がガザに拉致されました。彼女たちはナハロオズの方にいてそこから拉致されました。
10月7日の土曜日の朝に、空襲警報が鳴李、起きてすぐテレビをつけました。テレビでは、どこで空襲警報が鳴ってるのか、どの範囲なのかが全て公開されるのですぐに確認しました。ナハローズで空襲があると書いてあったので、まず、元旦那にすぐ連絡にして「娘たちは大丈夫なの?」と確認をしました。
特に、下の子の8歳のエラが緊張してないか確認したんですけど「大丈夫だよ」と言われて、それが最後の連絡になってしまいました。
このとき娘たちは、元旦那と現在のパートナーと、そしてその息子さんが一緒に同じ家にいました。ナハローズの家です。
正午になって、姉から電話がありました。「娘たちが拉致されてる」というのです。最初は彼女が何を言っているのかよくわからなかったのですが、しばらくしてWhats Appに写真が送られてきました。
上の娘、ダフナが私のみたことがない服を着せられている姿が写っていました。アラビア語で「祈りに合う服を服に着替えさせてやった」というような言葉が書かれていました。
最初はPhotoshopだったり、加工の写真で本物だとは信じられなかったのですが、再び写真が送られてきて、今度は娘が腕を怪我してるところが確認できる写真と、下の娘と一緒にいることがわかる写真でした。
これも加工写真なのではないかと思いました。なかなか現実を受け入れたくなかったのかもしれません。
徐々に徐々に現実味が増していく中、元旦那のパートナーにもう一人いる息子さんに連絡をして「大丈夫なの?」と聞きました。すると「いや、大丈夫じゃない」というのです。
なんと、ハマスが母親の携帯を使ってFacebookに入ってFacebookから被害を与えてる様子の生配信をしていたというのです。
その動画を確認すると、まず元旦那が足を撃たれていて、子供たち、自分の娘たちもすごい怖がっている表情をして床に座らせるされてるのを確認しました。パートナーの女性の膝の上にはエラが。その隣には元旦那がいて、ダフナが座らされていました。何が起きているのかまだよくわかっていないような様子でした。
後で知ったことなんですが、元旦那とパートナー家族は3人とも殺されてしまって、娘たちだけ拉致されたようです。
堀・Mielさん)
イスラエル政府からはその後、何か情報は伝えられましたか?
マーヤンさん)
いいえ。その後、もう娘たちの消息はわかっていません。何も手掛かりがないです。政府はとにかくサポートをしっかりとしてほしいと思っています。
各国の皆さんからは、毎回サポートするときは「でも」という言葉がよくつくと思うんですけど、イスラエルもかわいそう「でも」こっちもこうだからと。しかし「でも」は1回なくしてほしいです。
堀・Mielさん)
日本政府や国際社会はいま何をすべきだと思いますか?
マーヤンさん)
イスラエルでも、拉致された人たちというのは本当に子供がたくさんいます。子供は誰にも被害を加えたことがない人たちじゃないですか。兵隊でもないし、何かしら政府に関わるものでもなく、軍人でも、まず成人でもない人たちがたくさんいます。
ただただ、寝て起きたら目の前に地獄があったんです。朝方だったので、本当に寝て起きたらもう地獄に目覚めたのです。こういう状況はもう「でも」という言葉をつけるような内容じゃないのです。
絶対的に生きて帰さなきゃいけない。
毎回イスラエルをどうこう話すときっていうのは「でも」とか「やっぱり」という言葉がつきがちなんですけど、もうここまでの甚大な被害というのは、まず子供たちを返さなきゃいけないんです。
一度でいいからちゃんとサポートしてほしいです。
今、ガザにいる子たちの中では、9ヶ月の男の子だったり、子供も他にいます。妊婦さんで、ガザで産んだという人が1人いるんですね。まずそういう人達が全員戻ってこなきゃいけない。
まず子供たちから、その次に母親たちを、そして最終的には全員必ず戻ってこないといけないです。民間人なのですから。
堀・Mielさん)
多くの人たちに一緒になって考えてもらうためにも、ぜひ娘さんたちがどんな方々なのか教えてもらえませんか?お話できる範囲で大丈夫ですので。
マーヤンさん)
まず、妊娠のときから人工授精を何度も繰り返してやっと妊娠できた子たちです。2人とも難しい出産で、どちらも帝王切開だったんですね。 なので本当にすごい大変だったんですけど。そうした状況を知っているのか、本当に素晴らしい子たちで、もう何か適当な言葉ではなく、私の全世界です。
心が広い子たちで、全人類を愛してるような、どこで生まれたとか、どこの出身なのかとか、そうしたことは何も関係なく、人が好きという子たちです。
若い子らしく、TikTokとかも好きですし、Snapchatとかそういう今どきのものも好きだし、もちろん喧嘩もするし、むかつくこともあります。
でも、ここまで大変な妊娠で、ここまで大変な出産で、その期待を裏切らないように、どれだけ期待をして産んだかというのがわかってるかのような、本当に完璧な子たち、愛情あふれた子たちです。
すごい心が広くて、お互いもすごい仲良くて、もう望んでいたもの全てですし、望んでいたもの以上、想像以上の子たちで、本当に私の人生そのものです。
堀・Mielさん)
最後に、日本人に伝えたいことを教えてください。
マーヤンさん)
もう、ただただ、娘たちを今すぐ返してほしいです。
最初は、もう少し強く精神を保ていたのですが、もう今は、本当にボロボロという何か。言葉がない状態です。
とにかく早く返してほしい。もう無理です。
皆さんの力を貸してください。