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米国の利上げペース予測

久保田博幸金融アナリスト
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 昨年12月5日のFOMCでは、テーパリングの加速を決めた。減額幅は11月に決めた2倍に拡大し、テーパリングの終了時期は2022年6月から同3月へ前倒しされた。パウエル議長は会合後の記者会見において、テーパリング終了から利上げまで、それほど長い時間の遅れはないだろうと述べた。

 これを受け市場では3月のFOMCでテーパリングを終了させるとともに、利上げを開始すると予想されている。

 その後、年内に何回利上げが実施されるのか、いろいろと予測も出ているようである。今年のFOMCのスケジュールは以下の通り。

1月25日~26日

3月15日~16日

5月3日~4日

6月14日~15日

7月26日~27日

9月20日~21日

11月1日~2日

12月13日~14日

 1月25日~26日のFOMCでの利上げの可能性はかなり薄い。やはりテーパリングを終了後に利上げを行うという手順を踏むであろうと予想される。

 3月15日~16日のFOMCでの利上げはほぼ織り込み済み。あとは年内の回数が問題となる、のであろうか。

 FRBの利上げペースは0.25%刻みと決まっているわけでは当然ない。2020年3月のFOMCでは3日に緊急のFOMCを開き政策金利を0.5%引き下げ1.25%に、15日には臨時のFOMCを開いて政策金利を1%引き下げ0.25%としている。

 これはあくまで緊急対応で例外であったとしても、0.5%や0.75%の政策金利の調整も何度もあった。

 今回もインフレ対策が急務ということもあり、0.25%ずつ数回というよりもピッチを速める可能性もないとはいえない。

 いまのところ3月の利上げ開始から、12月までの7回すべてのFOMCで利上げを行うとの予測も出ているが、回数とともに利上げ幅にも注意する必要がある。また、物価の上昇に拍車がかかるなり、反対にリスク対応を迫られた場合には臨時のFOMCが開催されることも予想される。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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