ふと気になる「いつご飯を食べているのか」
食事は一日三回が定石パターン
多くの人にとって食事は毎日三食欠かせないものであるが、就業・就学スタイルをはじめとした生活様式、家族構成や習慣により、その摂取時間は大いに違いを見せる。その実情をNHK放送文化研究所が2016年2月に発表した2015年国民生活時間調査の報告書の内容から探る。
グラフ中の時間帯の区切りに関する表記は「直前区分からその時間まで」を意味する。今件では30分区切りでの精査なので、例えば「13時30分」なら「13時00分~13時30分」。
日常生活どころか生命そのものの維持には欠かせない食事における、平均行為者(特定属性において該当行為を行った人)の推移はどのようなものだろうか。平日と日曜に関して、その動きを確認したのが次のグラフ。縦軸は双方で合わせてある。
一日三回大きな山が出来ており、多くの人が食事を一日三回取るライフスタイルが確立されているのが分かる。そしてよくその中身を見ると、
・平日より日曜の方が朝食時の行為者率が高くなる幅が広く、起床時間がまちまちなことが推測できる。
・平日の昼食時は時間帯が限られており、ピーク時の行為者率が高い。
・日曜夕食は平日夕食よりもピーク時の行為者率が高く、世代を問わず(≒家族で)時間を合わせて食事ができていると見受けられる。
・朝食のピークは平日の方がやや早い。
などの動きを読みとれる。特に最後の「朝食のピークは平日の方がやや早い」は、次のように平日・日曜を重ねて折れ線グラフにすることで一目瞭然。
朝食は起床時間がずれるのでピークやボリュームゾーンもシフトする。日曜は幅広い状態となる。そして夕食は食事時間こそ変わらないものの、皆で食事を取るために該当時間帯の行為率が上がることが確認できる。
昔と比べて早くなる朝食時間
今調査の限りでは朝食時間は少しずつ早まる傾向がある。その実態を具体値が取得可能な2005年・2010年・2015年分に関して、平日と休日それぞれの朝食動向から確認したのが次のグラフ。
この10年に限っても、平日では8時から8時半を区切りとして、それ以降は行為者率が減退、それ以前は増加の動きを示している。日曜も7時から7時半をピークとしてそれより早い時間帯では増加、それ以降では減少。寝ている最中に食事は不可能なことを合わせ考えると、人々の生活リズムは全般的に早起き・早朝食へとシフトしているようだ。
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