パラ卓球日本代表がパリへの決意表明!戦略と熱い思い
写真は前列左から、齊藤元希 七野和樹 八木克之 友野有里 岩渕幸洋 船山真弘 後列左から、山本恒安(車いす監督)、森薗美咲(立位監督)、羽生綾子(ヘッドコーチ) 筆者撮影
パリ2024パラリンピックで8月29日から開催される卓球競技に向けて、肢体不自由クラスの日本代表内定選手6名が6月25日、都内で記者会見を行った。各選手がそれぞれの思いと戦略を熱く語り、大会への期待を高めた。
齊藤元希(クラス4/車いす/世界ランク18位):東京のリベンジを誓う
世界最終予選で優勝し、出場権を獲得した齊藤。東京大会での悔しさをバネに、パリでは「最高のプレーをしたい」と力強く宣言した。「東京大会以降、自発的に競技に取り組むようになった」と語る齊藤は、残り2ヶ月間、海外選手との練習や、(ラバーやラケットなど)同じ用具を使う選手のプレー分析を通じて、さらなるレベルアップを図る。
七野一輝(クラス4/車いす/世界ランク7位):新たな挑戦で得た成長を武器に
パリを目指す2022年4月、怪我により立位から車いすクラスに転向した七野は「新たな挑戦を通じて、プレーに対する考え方が深まった」と語った。パリでは、ランキング1位のワンジャン(タイ)をライバルと定め、徹底的な研究を重ねて挑む。
八木克勝(クラス7/立位/世界ランク2位):環境の変化を力に変えて
アジアパラ競技大会での金メダル獲得で、いち早くパリへの切符を手にしていた八木。「最低でも銅メダル以上」を目標に掲げ、「所属や用具など、競技環境を大きく変えた成果をパリで証明したい」と意気込みを語った。7月にはペアを組む舟山との練習に励み、世界ランク1位のベイリー(イギリス)を目標に、変化に対応できる技術を磨いていく。
友野有理(クラス8/立位/世界ランク6位):持ち味のサーブを武器に
ギリギリで出場が決まった友野は、持ち味のサーブを武器に、「一戦一戦の戦略を練りながら優勝を目指す」と語った。練習環境やコーチを変え、より強度の高い練習に取り組んできた成果を、パリの舞台で発揮する。サーブの精度向上を目指し、黄文娟(中国)をライバルとして対策を強化している。
岩渕幸洋(クラス9/立位/世界ランク11位):感謝の気持ちを胸に
推薦枠での出場となった岩渕は、好きなパラリンピックの舞台に立てることへの感謝の気持ちを述べつつ、あらためてメダル獲得への強い思いを表明した。「自分の強みを再認識し、サーブからの3球目でプレッシャーをかけられるプレーを目指す」と語り、リオと東京と2連覇のライバル、ランキング1位のドボース(ベルギー)と対戦したいことを明かした。「彼は他の国際大会でも負けていないという自分のクラスで一つ抜けている選手だけれども、自分はまだ勝ったことがない、普段の大会だと当たり負けたくない選手ですが、こういった大舞台は逆に彼に挑むいいきっかけだと思う」と目標に掲げた。
舟山真弘(クラス10/立位/世界ランク9位):初出場のパラリンピックを楽しむ
ランキング枠で初のパラリンピック出場を決めた舟山は、「自分らしいプレーで一戦一戦に挑む」と語り、パリでの試合を楽しみにしている様子。「卓球に対する思いがさらに強くなった」と語る舟山は、残り2ヶ月間、自分の強みを伸ばし、弱みを克服する練習を重ね、クラス10の全14選手をライバルと捉えて対策を練る。
万全の体制で選手をサポートするスタッフ陣
ヘッドコーチの羽生綾子氏は、「6名ともメダルを狙える位置にいる」と選手たちへの期待を語り、スタッフ一同、全力でサポートすることを約束した。車いす監督の山本恒安氏、立位の監督の森薗美咲氏も、それぞれがチーム一丸となってメダル獲得を目指す決意を表明した。
知的障害クラスの3選手、和田なつき(アジアパラシングルス1位)、古川佳奈美(パラ2大会目)、竹守彪(パラ3大会目)を含め、総勢9名の卓球日本代表選手たちは、万全の体制でパリパラリンピックに臨む。
<参考;世界ランクは2024年6月1日現在>
(校正・丸山裕理、地主光太郎、そうとめよしえ)
この記事はPARAPHOTOに掲載されたものです。