思いがけないご縁に恵まれる小旅~季節の花咲く大慈寺と村檜神社を訪れて~
栃木県には多くの花の名所が存在する。
四季折々の花が次々に開花し咲き誇る様子はとても楽しみであり、見るたびに心が癒される。
中でも三毳山は花の宝庫である。カタクリの花は早春の三毳山を彩る花として知られるが、夏のキツネノカミソリやこれから咲くヒガンバナもまた色鮮やかに山の斜面を染め上げる。
そんな三毳山には毎月のように訪れているのだが、今回その帰りにふと立ち寄ったのが大慈寺と村檜(むらひ)神社である。
小野寺山大慈寺
大慈寺の境内は豊かな自然に囲まれ、訪れたときはサルスベリやキバナコスモスが境内を彩っていた。
大慈寺は、今から約1200年前、行基菩薩により開山されたと伝えられる天台宗の古刹であり、栃木県内に現存する最古の寺院ともいわれる。
日本の天台宗の開祖である最澄による「六所宝塔」の建立のほか、その弟子であった円仁が若年の頃に修行したお寺でもある。
天明鋳物の相輪宝塔
天台宗を開いた最澄は国家安泰などを祈念するために全国6箇所に宝塔を建立した。
これを「六所宝塔」という。
その一つである「相輪宝塔」が、ここ大慈寺にある。
栃木県佐野市の伝統工芸である天明鋳物で造られた「相輪宝塔」は重厚感があり、繊細で美しい。
「世の中が平和でありますように」
「みなが幸せでありますように」
と祈りながら「塔を三周半、一周一唱、右回り、合唱」という参拝方法が伝えられている。
小野小町所縁のお寺
大慈寺は平安時代の歌人である小野小町所縁のお寺でもある。
小野小町が大慈寺の御本尊である薬師如来に病気平癒の祈願をし、快復したことから、小町は終生この地に住んだと伝えられる。
村檜神社
大慈寺に隣接する村檜(むらひ)神社。
創建は約1400年前と伝えられ、檜皮葺の屋根が印象的である。
熊野大神、大山咋命(おおやまくいのかみ)の二柱を祀り、はるか古より崇敬されてきた。子授け安産、開運出世、勝負必勝などの御神徳があるとされている。
村檜神社もまた豊かな自然に囲まれ、何よりも凛とした神社特有の空気を感じる。
境内を散策しながら、ゆっくりと自然の中に身を置いてみるのも良いかもしれない。
最後に
季節の花々を巡っていると思いがけないご縁に恵まれることがある。
今回の大慈寺や村檜神社とのご縁もそうである。
遠出も良いが、時には近くを巡ってみることで新しい発見とめぐり合わせがあるかもしれない。
【基本情報】
大慈寺
住所:栃木県栃木市岩舟町小野寺2247
アクセス:
・電車の場合
JR「岩舟駅」よりタクシーで約15分
・お車の場合
東北自動車道「佐野藤岡IC」より約25分
駐車場:有(50台)、無料
村檜神社
住所:栃木県栃木市岩舟町小野寺4697
以下、「大慈寺」基本情報を参照