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一日人権擁護委員を務めた阪神タイガース・岩貞祐太投手

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
尼崎市人権週間啓発キャンペーンに参加。笑顔でインタビューに答える阪神・岩貞投手。

きのう5日、阪神尼崎駅北側広場で『第66回人権週間街頭啓発キャンペーン』が行われました。毎年12月10日は人権デー、それまでの1週間(4日から10日)は人権週間と定められています。人権について考えるのは常日頃から必要ですが、改めて「差別のない明るい街づくり」や「思いやりの心でかけがえのない命を守ること」などを認識できる、いい機会ですね。その啓発のため、阪神タイガースの選手が毎年キャンペーンに協力しています。ことしは1年目を終えた岩貞投手が『一日人権擁護委員』を務めました。

かなりの冷え込みながら日差しがあって何とか救われた気はする、きのうの尼崎駅前。最初に駅前広場でセレモニーがあり岩貞投手を一日人権擁護委員に任命する委嘱式、そして委員の女性によるインタビューと続きます。お母さんよりも年上とおぼしき女性の質問に、やや押され気味の岩貞投手(笑)。「寮でいじめられたりしていませんか?」「だ、大丈夫です」てな感じです。

誘導されて答えた「来年は10勝」

阪神尼崎駅前を出発、商店街へと向かう岩貞投手です。
阪神尼崎駅前を出発、商店街へと向かう岩貞投手です。
商店街でお買い物中だった妙齢の女性おふたりに握手を求められ、
商店街でお買い物中だった妙齢の女性おふたりに握手を求められ、
今度はちっちゃな女の子と握手。とっても幅広いモテっぷりでした!
今度はちっちゃな女の子と握手。とっても幅広いモテっぷりでした!
『日本一早いマジック点灯』でおなじみの商店街。さすがにまだ数字は空白。
『日本一早いマジック点灯』でおなじみの商店街。さすがにまだ数字は空白。

その中で「ことしは何勝しましたか?」「1勝です」というやりとりがあり、続いて「じゃあ来年は何勝しますか?」と聞かれて、しばし沈黙。するとインタビュアーの女性が「ことしは1勝ですよね?それに0をつけて…」と振ります。岩貞投手は促されて思わず「10勝」と答え、会場から拍手が起きました。なるほど。もしかして打ち合わせ済み?

駅前でのセレモニーが終わるとサイン会開始。オープニングにも可愛らしいアトラクションを披露してくれた園児たちが最初に並び、先生もしっかり参加されましたよ。引き続きファンや地元の皆さんにサインをして、いよいよ委員の方々とともに歩いての街頭啓発活動です。最初は上にトレーナーを着ていた岩貞投手ですが、一日擁護委員の委嘱状を受け取ってタスキをかけられた時に脱いで、その後はユニホーム姿のまま。でも寒そうな素振りは見せず、笑顔で啓発グッズを手渡します。

まずは阪神尼崎駅の改札前、そこから大通りをはさんだ尼崎中央商店街と移動します。商店街はアーケードの中を歩いて、お買い物や通行中の方々から「頑張って!」「10勝してね!」などの声援も受ける岩貞投手。まさに老若男女、いろんな方と会話したり写真を撮ったりという、ふれあいのひとときです。そうそう、歩きながら「自主トレはどこでしますか?」と、ファンの方にも“取材”されていました。

「新人王よりチームのために」

セレモニーと街頭啓発活動を合わせて約1時間、そのあと記者陣による囲み取材となりました。その内容をご紹介します。

こういうイベントは?「初めてです。この活動に一役買うことができてよかったです。今後も引き続き、役立てるよう頑張っていきたいと思いました」。商店街では激励の声も飛んでいましたね。かなり積極的に握手を求められたして。関西の人は強烈でしょう?「はい、イメージ通りで(笑)。こんなに近くで接するのはなかなかないですから」

インタビューで10勝と答えていたけど?と振られ、少し笑ったあとに表情を引き締めて「数字よりは、1つ1つしっかりという方が明確でやりやすいと思うので。とにかく来年は(故障なく)春からしっかりやらないとダメだと思っています」。ここで、毎回出てくる「来季はまだ新人王の資格がありますね?」との質問に、岩貞投手は苦笑いしながら「要らないです」とキッパリ。「チームのために頑張ります!」と続けました。

先発、完投は一番ベスト

ポジションについて「ことし1年はずっと先発をして、最後は中継ぎだった。来年はチャンスがあるなら最初は先発でいって、それでチームが勝つためだったら何処でもやるというつもりで」とのこと。1年通してやるには何が必要と感じた?「投げていてスタミナという部分は毎年、課題に挙げています。スタミナさえあれば、いいピッチングができる。そこはずっとテーマ、課題として冬の間に取り組んでいきたい。走れるだけ走って、シーズン中にできないようなトレーニングもしたいです」

「スタミナさえあれば、いい投球ができる」。そのために鍛えるオフです。
「スタミナさえあれば、いい投球ができる」。そのために鍛えるオフです。

先発をしたら完投という意識は?「ことしは投げていて球数が多かった。1試合投げるという精神的なものは不安視していません。テンポよく投げることができれば必然的に長いイニングもいけると思います。先発、完投はもちろん一番ベストな形だと思います。常にそれを頭に置いて、目の前のバッターにしっかり向かっていくことを忘れずにやりたい」。少し前にも「理想は5回で70球、そのためにはボールを10~20球減らさなければ」と話していました。自分の中でイメージはできているのでしょう。

今は鳴尾浜で強化練習中で、それが終わったあとは「大学の方に挨拶をして練習をして、それから実家に帰る予定」だそうです。年明けはやはり強化練習があるため、上旬には戻ってくるかもしれませんね。

1年でひと回り大きくなった?

下半身も大きくなったと思いませんか?って、実は下にもう1枚穿いていますけど。
下半身も大きくなったと思いませんか?って、実は下にもう1枚穿いていますけど。

ところで、写真を撮っていて思ったんですけど、顔が丸くなりましたか?特にアゴのあたり。「太ったってことですか?気のせいですよ」。そうかなあ。少しふっくらしたような…。気のせいですかねえ。髪の毛にパーマかけたからじゃないかと記者陣の突っ込みがあり「そうそう、自然のパーマですよ。似合います?」と笑う岩貞投手。つまりパーマをかけたってことですかね。あんまり変わらないけど。

また、商店街を歩く後ろ姿を見ていたら(太ったというのとは違って)かなり大きくなったなあと思いました。下半身もガッチリしたような気がします。2月のキャンプ中、いつも「膝から下が細くて真っすぐで、きれいやねえ」と言ったら「イヤなんですよ~」と困った顔。ファームだと膝までストッキングだから、余計に細さが目立つので、早く1軍へ行ってズボンを下げないとね、なんて話をしていたんです。ところが、その足も太くなったような…。と思ったら「きょうは下に穿いてきました」。おっと、“かさ上げ”だったんですか。

いや、それでも大きくなっていますよね。「ほんとですか?やった!」と喜ぶ岩貞投手です。来年は、その下半身の粘りで先発、完投とチームの柱になって活躍してください。もちろん1軍で、ですよ。楽しみにしています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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