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熱中症での救急搬送人数は1週間で1251人(2019年5月27日~6月2日)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ まだ夏は先の話だが油断は禁物。熱中症への備えは忘れずに。(写真:アフロ)

・直近週における熱中症による救急搬送人数は1251人(2019年5月27日~6月2日)。

・年齢階層別では乳幼児が1.2%、少年が19.9%、成人が31.0%、高齢者が47.9%。

・地域別では東京都の122人がもっとも多く、次いで埼玉県の102人。

総務省消防庁は2019年6月4日、同年5月27日~6月2日の1週間における熱中症による救急搬送人数が1251人(速報値)であることを発表した。消防庁が掌握している今年の累計人数は4605人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では3人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は29人が確認されている。なお前年2018年の同時期における熱中症による救急搬送人数は659人(確定値)で、今回週の人数はその約1.9倍に相当する。

↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2019年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2019年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2019年5月27日~6月2日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2019年5月27日~6月2日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2019年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2019年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から8年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また2019年4月時点で気象庁が発表していた夏季予報では、平均気温はほぼ平年並み(北日本でやや低め、沖縄・奄美地方で高め)となる可能性が高いとの話だった。降水量は全国的に多めとの予想とも併せ、熱中症リスクの観点ではいくぶんの安心感を覚えさせるものの、油断は禁物。他方、ここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 季節予報(平均気温・降水量、夏 6~8月)(気象庁、4月時点)
↑ 季節予報(平均気温・降水量、夏 6~8月)(気象庁、4月時点)

消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月29日から開始する形で、逐次報告を行うことになった(終了日は9月末日が含まれる週の週末)。

今回発表された各種値は今年の分としては第5週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。

地域別では東京都の122人をはじめ、埼玉県の102人、北海道の66人などが上位についている。北海道では5月27日月曜日においては前回週末から続く高温が観測され、札幌でも最高気温34.2度を記録していることから、この高温が救急搬送人数を底上げしたものと考えられる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2019年5月27日~6月2日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2019年5月27日~6月2日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2019年5月27日~6月2日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2019年5月27日~6月2日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2019年5月27日~6月2日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2019年5月27日~6月2日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。

↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋
↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋

暦の上では夏はまだ先の話で、梅雨入りした地域もある。しかしすでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期に違いない。油断することなく、正しい知識やノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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