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恵比寿ガーデンプレイスから始まる都市型DIY

渡辺広明コンビニジャーナリスト/流通アナリスト
DCM DIY place店入口 筆者撮影

恵比寿ガーデンプレイス内のセンタープラザに11月8日にオープンする "DCM DIY place"は、都市型DIYが更なる活性化する大きなキッカケとなる予感がした。

前日の7日に取材させてもらった筆者の個人的感想は我が家が狭い自宅スペースとそしてワンルームのオフィススペースという事もあり、ワークショップで収納棚作成を学んでみたいし、不器用ではあるもののペンキ塗りは楽しそうでやってみたいと思った。

またペットを飼う人(我が家の愛犬さくらはあまり無駄吠えしないので必要無いかもだが)や自宅で楽器を弾き音楽をする人には防音に対する商品も魅力的なのだろうとも思った。

自分の力でリノベーションしたり修理したりするDIYは昔からある言葉だが、昨今のDIY女子のブームもありニーズが大きく広がり、この店舗も女性の来店を意識した店作りになっている。要は従来のホームセンターのDIY売場の感じは全くしない。

DIY ROOM 筆者撮影
DIY ROOM 筆者撮影

東京23区の都心部ではDIY関連の充実の品揃えが充実した店舗が無く、DIYを扱う店舗に関しても池袋のハンズが閉店し、ハンズの渋谷・新宿があるだけで基本的にはDIY買い物難民に近い状況だ。

今回の恵比寿ガーデンプレイスにあるホームセンターDCMが手掛けるDIYの専門店である”DIY place"はDCMが手掛ける2000坪強い大型ホームセンターのDIY製品と同等の約1万点の品揃えを有しており、都心のDIY販売の隙間を完全に埋める店舗となっている。

今回の店舗はワークショップ体験が出来るのも魅力だが、壁紙や床材張り替えなどの内装に関しては専門スタッフが常にいて予約が必要ではなくぶらりと店舗に寄った時にいつでも気軽に体験出来るというのが秀逸だ。これはDIYへのハードルをさらに下げ新規のユーザーの取り込みに大きな力を発揮しそうだ。

ペンキの塗れるスペース 筆者撮影
ペンキの塗れるスペース 筆者撮影

体験型は当たり前だがネット通販では不可能でリアル店舗ならではの取り組みとなり、コロナ禍による巣篭もりで日々の"くらしの快適化"が定着するこの時期はタイミングとしては最適かもしれない。

都市型のDIYが浸透しない課題としては、賃貸物件が多く原状回復が必要なためその部分がネックとなっていたことがあげられる。但しここ数年は画鋲や石膏ボード用フック(穴の小さいもの)のホッチキスを使って固定出来るものや、壁にはがせる壁紙などの商品の進化があり、原状回復に対応した商品が充実しており、今後その事が都市型DIY店舗の拡大を後押ししていきそうだ。

ホームセンターは、コロナ禍の巣篭もり2020年に市場規模4兆円を突破したが、直近の9月は売上3.1%減(経産省発表)などこの所苦戦が続いている。そんな中、都心に住む人にとってはホームセンター買い物難民状況が今回の店舗で解消され、カインズの商品も今月から都市に多いハンズの店舗で展開をスタートするという事で、都市型DIYは小売の業態の隙間をつき新しい業態として市場を切り拓きプラスαの消費を喚起しそうだ。現在の多様化した消費は自分らしくカスタマイズしたいというスタイルでこれも都市型DIYの展開を後押しして売上を伸ばしていくと推察される。

コンビニジャーナリスト/流通アナリスト

渡辺広明 1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役として、顧問、商品開発コンサルとして多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。全国で講演 新著「ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた」「コンビニを見たら日本経済が分かる」等も実施中。

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