6月の米消費者物価指数は予想以上の上昇率に
米労働省が13日発表した6月の米消費者物価指数は前年同月比の伸び率が9.1%となった。5月の同8.6%から拡大し、市場予想の8.8%を上回った。1981年11月の同9.6%以来、およそ40年半ぶりの高い伸びとなった。足元の動向をより反映する前月比の上昇率は1.3%と、5月の1.0%を上回った。
Consumer Price Index Summary https://www.bls.gov/news.release/cpi.nr0.htm
物価上昇の主な要因はウクライナ情勢を受けた原油価格の高騰でガソリンの上昇率は6月に59.9%となり、5月から拡大した。航空運賃も34.1%と高い伸び率が続く。電気代が13.7%、食品が10.4%、中古車が7.1%、そして衣類が5.2%など生活に身近な幅広い分野での物価が上昇している。
変動の大きい食品とエネルギーを除く指数については、前年同月比5.9%上昇。こちらは3月に6.5%を記録した後に3か月連続で減少した。ただし市場予想の5.7%上昇は上回った。前月比でみた伸び率は0.7%と5月の0.6%から拡大した。
物価が想定以上の高止まりとなったことから、7月26、27日に開催されるFOMCで通常の3倍にあたる0.75%の利上げがほぼ確実視され、利上げ幅が1%に拡大するとの観測も出ていた。
13日にはカナダ銀行(中央銀行)が、政策金利である翌日物金利の誘導目標を1%引き上げ、2.5%とした。1%の幅での利上げは1998年以来初めてとなる。これを受けて1%の利上げが連想された可能性もある。
外為市場では、ECBがリセッション懸念で利上げに慎重かとの見方もあり、欧米の金利差が広がるとの見方が強まり、一時、1ユーロが1ドルを下回るいわゆるパリティ(等価)割れとなった。これは2002年12月以来、およそ20年ぶりとなる、日米金利差拡大が意識され、ドル円も一時、1998年9月以来の139円台に上昇した。