使い勝手はiPad以上!?Androidタブレット Galaxy Tab S8+をレビュー
SamsungのAndroidタブレット Galaxy Tab S8+/Ultraが発売されました。日本ではSシリーズの発売は久しぶり。
タブレット好きな筆者は普段iPadを愛用していて、Androidのハイエンドということもあって早速購入してみたのでレビューをしていきたいと思います。
Galaxy Tab S8+
Galaxy Tab S8+はSamsungのAndroid搭載タブレットです。
Galaxyスマホをモニターへ繋げてPCのようなデスクトップUIにするDeX機能を、タブレット単体でも使えるとGalaxy Tab S6・S7と気になっていましたが、残念ながら日本では未発売。
今回12.4インチのGalaxy Tab S8+と、14.2インチのGalaxy Tab S8 Ultraが日本でも発売されるとのこと。早速Galaxy Tab S8+を購入しました。
早速ですがこちらが本体。サイズは285x185x5.7mm、重量572gと、薄く軽く仕上がっています。角はラウンドしていて、アンテナラインなど、どことなくiPadに似た印象。
大きく異なるのは背面カメラ周囲で、レンズは2眼で縦方向に並んでいます。またカメラから出ている黒い帯はスタイラスペンの充電場所に。マグネットでぱちっと貼り付けて充電が可能です。
2800×1752 120Hz 12.4インチのAMOLED(有機EL)を搭載。AMOLEDなので黒がしっかりと黒い、コントラストが高く非常に美麗な印象です。また、リフレッシュレート120Hzに対応していて、なめらかなスクロールで気持ち良い。
フロントカメラは本体を横向きにしたときに上部にくるように配置されています。
同じく横向きの状態で上部の側面には、電源ボタンと音量ボタン、右に向かうとMicroSDカードスロットがあります。
反対の下部側面には専用キーボード用の接続端子。
サイドの側面にはスピーカーが4つ搭載と、USB-Cポートがあります。
iPadよりも優れたマルチタスク
競合のiPadでは画面分割(Split View)やアプリをウインドウとして開く(SlideOver)マルチタスク機能があります。Galaxy Tab S8+にはそれを上回るマルチタスク機能があります。
Galaxy Tab S8+では最大3つまでのアプリを分割表示が可能。また、分割の幅は無段階で調整できるのも良いポイント。境界線真ん中のボタンから順繰りとアプリの位置を入れ替えができます。
分割だけでなくアプリはウインドウで開くことも。アプリを複数際限なく開け重ねて表示が可能で、自由にウインドウサイズを変えられるので使い勝手はPCのようです。iPadのSlide Overとは違い好きな位置に配置することができるので使い勝手はGalaxy Tab S8+が有利。
ひ冒頭でも書いていますが、Galaxy Tab S8+はDeXを外部モニターへ接続することなく単体で使えます。DeXを起動するとこんな感じに。アプリがウインドウで表示されるので、まるでタブレットPCのようなUIになります。
Sペンがすごい
嬉しいポイントがGalaxy Tab S8+ではSペン(スタイラスペン)が付属していること。Sペンは重量8gとまるで鉛筆のような軽さ。持ち手部分にはクリック式のボタンが搭載されています。
そんなSペンですが、ペンタブレットや液晶タブレットを販売しているワコムの技術を採用していて、ペンのレイテンシはわずか2.8msの低遅延です(Apple Pencilは9ms)。実際に書いていて追従性はApple Pencilと変わらず抜群に良い。
Apple Pencilと大きく異なるのは書き味です。Apple Pencilでは固いペン先なのでガラスにコツコツと当たり滑る印象ですが、Sペンではガラスの上にペンを走らせているのに柔らかな感触でコツコツと音も鳴りません。
また、ペン先も両者異なっていてSペンは細くなっています。嬉しいのがGalaxy Tab S8+のディスプレイにSペンを近づけるとカーソルが表示される点。カーソルから線が描画されていくので狙ったところに線を書けるのは絵描きさんには非常に有用なポイントだと思います。
持ち手のボタンとペンを使ったジェスチャー(エアアクション)でGalaxy Tab S8+を操作することも可能。アプリ毎に操作できることは変わってきます。例えばブラウザではSペンのボタンを押しながら空中でペンを上下に振ることでスクロールができたりします。個人的に普段使わないかもしれませんが、人によってはプレゼン中に資料を操作したりするなど便利かも。
上記のエアアクションではSペンがGalaxy Tab S8+とのBluetooth接続になりバッテリー必要ですが、文字を書いたり絵を描いたりと描画するだけなら充電は必要ありません。
ちなみにiPadのようにGalaxy Tab S8+でも側面にSペンをマグネットで引っ付けられます(この場合充電はできない)。背面のマグネット充電は使いづらいので、エアアクションを使わないのであれば、こっちに引っ付けておけばいいかなと思います。
日本語入力はちょっと…
純正のタッチパッド付きのキーボードカバーが併売されているので、筆者は文字入力デバイスとしても期待していたのですが、日本語入力はダメダメでした。
というのも純正IMEのSamsungキーボードは外部キーボードを使うと、変換候補が画面下に表示され入力している文字から離れてしまい目線移動が大きくて見づらいのです。
だったらとIMEをGboardに変えてみました。変換候補はすぐ下に表示されるのですが、言語切り替え時に英語なのか日本語なのか表示されないので、入力するまで分からないのです。
さらに、どちらのIMEでも検索フォームで、日本語変換の確定をすると同時にフォームが送信されてしまい、検索結果から再度続きを入力しなければなりません。
といったことがありPC代わりにテキスト入力するのは厳しいなといったところです。今後アップデートで対応されるかもしれませんが、これから購入する人は気を付けてください。
Androidアプリが大画面に対応していない
Galaxy Tab S8+の問題というよりAndroidの問題ですが、大多数のアプリがタブレットの大画面に対応していません。
スマホに向けて作られているので、縦画面でしか使えなかったり、スマホ版をそのまま大きく拡大したようなUIになっていて、タブレットで使うには非常に使いにくいです。例えばTwitterアプリではスマホ版のように1カラムで横いっぱいに広がっています。対してiPadでは左からメニュー、タイムライン、検索のように大画面を活かしたUIになっています。
Android 13でタブレットへの最適化があるとのことなので、これから各アプリの対応に期待したいところです。
これから盛り上がるのを期待
日本語入力は難があり、アプリも大画面への対応もiPadよりも少なく、PC代わりに使うには不足している点があります。しかし綺麗な有機ELディスプレイ、柔軟なマルチタスク機能、Sペンの機能性などタブレットとしては最高の使い心地。
Sペンはカーソルが出るし、柔らかな描き心地で追従性も良い。クリスタもプリインストールされているので、絵描きさんにはGalaxy Tab S8+が良いのではないかなと思いました。
メーカーのカスタマイズだけでここまで持って来れるのはすごいの一言。Android 13ではタブレットへの最適化がされるとのことなので、これまでiPad一強だった牙城を崩してほしいなという期待ができそうです。