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Apple Vision Pro、49万円は妥当な値段か 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.519

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2023/06/10(vol.519)

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《目次》

1.Apple Vision Pro登場で、メタバースアプリ業界が首の皮一枚つながる

----一方、アップルに対抗せざるを得ないハードウェアは前途多難か

2. Apple Vision Proは3499ドルで来年初頭に発売

----日本円で49万円は妥当な値段なのか

3.アップルがiOS17やmacOS sonomaを続々と発表

----新OSに飲み込まれるスタートアップ企業たち

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.Apple Vision Pro登場で、メタバースアプリ業界が首の皮一枚つながる

----一方、アップルに対抗せざるを得ないハードウェアは前途多難か

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Apple Vision Proをアップル本社で体験することができた。

実際の感想などは各媒体(C-Net、Business Insider、アスキーにて掲載)で確認してほしいが、ビジネスとしての視点で感じたのは「Apple Vision Proの登場により、メタバースの可能性が見えてきた」というところだろうか。

アップル自身はApple Vision Proに対して「メタバース」や「VR」といった言葉は一切使っていない。あくまで、空間にアプリを浮かべて表示させ、作業ができる「空間コンピュータ」という位置付けだ。

しかし、Apple Vision ProではiPhoneやiPadのアプリが動くことになっている。つまり、iPhoneやiPad向けにメタバースアプリを提供すれば、Apple Vision Proで使えることになる。

Apple Vision Proは全てにおいて、これまでのVRやMRデバイスを超越しているが、特に感心したのが操作性だ。

アプリのアイコンを見るだけで、アイコンが反応し、親指と人差し指をポンと軽くつまむとアイコンを押したことになる。指を摘んだ状態で左右に手を動かせば、スクロールする。アプリを持ち上げ、別の場所に動かすというのもお手の物だ。

このユーザーインターフェースが秀逸で、本当に一切のストレスを感じなかった。

Apple Vision Proの操作性とメタバースアプリを組み合わせれば、ユーザーは自在に仮想空間を歩きまわることができそうだ。このストレスがなくなるだけで、仮想空間は一気に快適になる。

NTT QONOQやαUといったメタバースで新たな事業を展開しようとしているところは、かなり可能性が出てきたと言える。

もちろん、Apple Vision Proが来年出たとしてもすぐに事業が回るというわけではない。何年か経過し、Apple Visionシリーズが普及すれば、ビジネスが維持できるぐらいの規模になるのではないか。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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