Yahoo!ニュース

阪神ファームは大敗 その中で光った陽川選手の完璧なアーチ! 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

15日は日帰りでナゴヤ球場へ行ってきました。ウエスタン・リーグの中日-阪神7回戦は、2回に伊藤隼選手と森田選手の同級生コンビの連打で先制!しかし中盤に守備の乱れから岩本投手が失点してしまい、リリーフ陣もヒットと四死球で追加点を奪われる展開で大差がついています。

《ウエスタン公式戦》5月14日

中日-阪神 7回戦 (ナゴヤ)

阪神 010 000 002 = 3

中日 000 023 23X =10

◆バッテリー

【阪神】●岩本(3勝2敗)-藤原-田面-渡辺 / 日高-岡崎

【中日】○岩田(1勝2敗)(7回)-小林(1回)-鈴木義(1回) / 桂

◆本塁打 陽川2号2ラン(鈴木義)

◆二塁打 森田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:荒木  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .395

〃打中:横田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .207

2]三二:西田 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 1) .241

3]捕:日高  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .244

〃打捕:岡崎 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .286

4]右:伊藤隼 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .316

〃打右:狩野 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .190

5]一:森田  (2-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .267

〃打一:黒瀬 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

6]中左:中谷 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .173

7]遊:北條  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .184

〃投:藤原  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:田面  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:渡辺  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:小豆畑 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

8]左:一二三 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .182

〃遊:陽川  (1-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .208

9]投:岩本  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

〃遊三:阪口 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .243

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)最速キロ

岩本 5.1回 108球 (7-6-4 / 5-3 / 3.40)139

藤原 1.2回 25球 (3-0-1 / 2-2 / 2.61)141

田面 0.0回 12球 (0-0-3 / 3-3 /15.43)143

渡辺  1回 16球 (2-1-0 / 0-0 / 0.00)140

鮮やかな先制攻撃、しかし…

1回は三者凡退だった打線ですが、2回に伊藤隼が中前打を放ち森田は三塁線を破る二塁打。伊藤隼が一気に生還して先取点!しかし中谷の二ゴロで1死三塁としたあと、北條は三直(藤澤ナイスキャッチ)。次の一二三は二ゴロで森田を還せません。3回は2死から西田の右前打のみ。4回は三者凡退で5回は先頭の北條が左前打して、頭の上を通過する暴投で二塁へ。それから2死三塁としますが、荒木は見逃し三振で得点につながらず。

一方、三者凡退で立ち上がった岩本は2回、高橋周の右前打と1四球があったものの無失点。3回は2死から吉川に右前打されますが日高の盗塁阻止により3人で終了。4回は三者凡退でした。ところが5回、1死から工藤にストレートの四球を与え、続く桂の三ゴロを西田が捕球エラー…。岩田の犠打で2死二、三塁となって今度は藤沢の一ゴロが捕球寸前に大きくイレギュラーバウンド。森田は捕れず(記録はヒット)、荒木が処理するも2人とも還してしまい逆転を許します。

さらに6回、1死から高橋周に右前打され中田はストレートの四球、続く堂上剛と工藤が連続タイムリー。桂にも右前打されて1死満塁となり、岩田は四球で押し出し。ここで岩本が降板。5回と3分の1を投げ7安打6三振4四球で5失点(自責は6回の3点のみ)でした。1死満塁で代わった藤原は藤沢を一ゴロに打ち取りホームゲッツー。しかし7回に藤原が2安打と1四球で無死満塁とし、中田の左犠飛。1死後に代打・福田の右前タイムリーで追加点。

8回に登板した田面はストライクが入らず、代打のゴメスと谷に連続四球を与え、吉川には136キロの速球を頭に…。田面は危険球により退場(なお吉川選手はすぐに起き上っていましたが、念のため病院へ行き検査を受けたとのこと。何も問題はなかったそうです)。これまた無死満塁と言う場面で交代した渡辺は、まず藤井を三振に取って1死となるも、高橋周に中前タイムリー。中田は左犠飛。堂上剛には左前打で3点を加えられました。

打線は後半、6回に先頭の西田が右前打し、2死後に森田の四球と中谷の内野安打で塁を埋めますが、北條は右飛で0点。7回は3者凡退で8回は代打・岡崎の左前打のみ。既に10対1とリードを広げられた9回ではありましたが、1死から代打・小豆畑が中前打して、途中出場の陽川がカウント2-2からファウルで粘り、9球目のスライダーをレフトへ!一直線に伸びていく鋭い打球に外野はほとんど動かず。この見事な2ランで、何とか気持ちを翌日へと切り替えられた感じです。

「もっと守備の意識を」と監督

試合後の平田監督は「大味なゲームに見えるけど、西田と森田の守備が岩本の足を引っ張ってしもたな。サードゴロ(エラー)はゲッツーだよ。森田のゴロ(ヒット)もイージー、ラッキーバウンドや。1軍にいるやつ見てみ。走れる、守れる選手や。もっともっと守備の意識をもたなあかんわな」と、5回の守りに苦言を呈しました。

また「岩本はフォアボールとエラーが絡むね。あと6回の踏ん張りどころでまだ踏ん張りきれていない。藤原は期待してたんだけどなあ。1軍で投げていたピッチャーだし、チャンスなのに…ストライクが入らないと、藤原も田面も遠征はきついかなあ」と崩れた中継ぎ2人に頭を抱えます。

それでも最後は陽川選手のホームランに話が及び「よかったねえ!これから使いたくなるなあ。元気がある。食らいついていってる。状態も良くなってきているし、使うよ。あしたも。素晴らしいホームランだよ!」と大絶賛の平田監督。

四球の出しどころを反省

岩本投手は「5回(の2点)で終わればよかったけど、6回の失点がゲームを崩しちゃいました…」とガックリ。とはいえ6奪三振のうち4つが真っすぐで、しかも見逃し!日高選手をにらみつけながらベンチへ下がったり、「あーっ!」と天を仰いだり、各打者それぞれに悔しそうな反応でした。ただ岩本投手は「四球が減ってきたのはいいけど、出す場所が良くないですね」と反省しています。

田面投手は「(フルカウントでの四球だった)先頭は悪い感じではなかったんですが、セントになってから腕と体が離れてしまって…。ブルペンで良くなってきているので、ゼロに戻らないようやっていきます」と話しました。

先制タイムリー二塁打の森田選手は「隼太がよく走ってくれた」と感謝の言葉。中日・岩田投手とは昨年、7割5分くらい打つ相性の良さもあったみたいで、1打席目から余裕を持って臨めたのでしょうね。

9回に代打でクリーンヒットを放った小豆畑選手は「真っすぐでボール、ツーシームでボール、次の真っすぐです。基本的にシュートしやすいピッチャーだったので。たまたまですよ。ラッキーパンチ」と笑っていました。

第2号の陽川選手。この笑顔がホームランの“できばえ”を語っていますね。
第2号の陽川選手。この笑顔がホームランの“できばえ”を語っていますね。

「1号より感触がよかった!」

そして10日の広島戦(由宇)に続く第2号の陽川選手です。「追い込まれていたので、とりあえず体を開かずに厳しい球はカットしていって、ああいう形につながりました。ちゃんと芯で捉えて、軽く振ったという感じです。由宇より感触がよかった!」。本人も手応え十分、大満足の1発だったようです、

由宇で打った1号は風に乗ったと言っていましたが「風は関係ないですね、きょうは」とニッコリ。前回は代打で2ラン、今回も途中出場での初打席。「少ないチャンスを生かさないと。結果が出てよかったです」。1軍に行くために必要な守備は「監督から、どこでも守れるようにしとけ、と言われています」とのことでした。

最後に、15日は島本投手が先発のようです。育成試合などでは何度か経験していますが、公式戦での先発は4年目で初!イニング数は決まっていないようなので、できるだけ長く投げてほしいですねえ。緊張はしていないと言っていました。生で見られないうえ、この日に限ってライブ中継もないなんて…。でも何とか情報はお伝えできるように頑張ります!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事