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20代が「結婚してもいいかな」と思える世帯年収をさぐる(2022年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
結婚にもお金との相談が必要?(写真:アフロ)

結婚のハードルの一つとして挙げられるのがお財布事情。いまどきの20代は世帯年収でどれほどの額面が確保できれば、結婚を考えるようになるだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2022年1月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2021」(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは択一で答えてもらった「世帯年収がこれぐらいなら結婚を考えてもよい」とする額。棒グラフはそれぞれの回答値、折れ線グラフは累積回答値。後者はその額面なら結局どれだけの人が考えるかというもので、例えば「300万円」と答えた人そのものは7.1%しかいないが、「世帯年収300万円を提示されれば結婚をしようと考える人」の総計は「300万円」回答者以外に「200万円」「年収問わず」も含まれるため、累計の22.8%となる。

↑ しようと思える世帯年収は(20代、結婚、円)(2021年)
↑ しようと思える世帯年収は(20代、結婚、円)(2021年)

具体的金額区分別回答値では500万円がもっとも多く、それに400万円、600万円、300万円が続く。この「300万円から600万円」の層で4割強。

一方累積回答値を見ると、700万円で68.9%とほぼ7割となっている。相手の存在を含め、結婚ができるか否かは他の条件も多分に絡んでくるのだが、世帯年収だけで勘案すれば、700万円が確保できれば約7割が結婚を検討するとのこと。他方、世帯年収がいくら上がっても結婚したいとは思わない人も1割強確認できる。

同様の調査は過去においても実施していることから、累積検討率を直近5年分に限り併記したのが次のグラフ。

↑ しようと思える世帯年収は(20 代、結婚、累積、円)
↑ しようと思える世帯年収は(20 代、結婚、累積、円)

「年収問わず」もあわせ結婚をしたいとの意欲は全体的に減少傾向だった。2018年では大きく増加する動きも見せたが、2019年では大きな減少を見せ、2018年の動きがイレギュラー的なものであることを感じさせるものとなった。

そして2020年では明らかな形での急降下状態に。新型コロナウイルスの流行とそれに伴う景況感の後退が大きく影響したものと考えられる。ところが直近の2021年では前年の2020年から大きく持ち直しを見せている。新型コロナウイルスの流行における景況感の後退が、ある程度落ち着いてきたとの認識があり、それが影響しているものと思われる。次回調査となる2022年では、さらに持ち直すのだろうか。

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※20代の金銭感覚についての意識調査2021

2021年12月3日から4日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者789人、既婚者211人。調査協力機関はネットエイジア。

今調査における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)ではなくサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収ではなく、世帯年収であることに注意。回答者が所帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせてカウントされる。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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