日本の人口は2100年には7364万人…国連による日本人口の推移予想をさぐる(2022年公開版)
少子高齢化に伴う日本の人口の減少と年齢階層別構成比率の変化は、日々話題に上り、論議の対象となり、対策の提案が行われる。人口の減少は国力の減少に他ならず、生産に携わる年齢層の減少と高齢層の増加は、社会福祉のバランスを危ういものとする。今回は国連の公開データを用い、日本の将来人口の推移予想を確認する。
今回抽出、精査するデータは国連の公式サイト内の「World Population Prospects 2022(世界人口の見通し、2022年改訂版)」(国連事務局経済社会局の人口部局による、人口統計学的な推計によるデータ)。2020年から2100年までの(推定)人口値に関して、3年齢階層区分(14歳以下、15~64歳、65歳以上)に区分し、さらに精査がし易いよう5年単位で整理を行い、グラフ化・精査を行う。
総人口は公開されている値でもっとも古い値となる2020年から一定率で減少を続けていく。2020年以降においては、65歳以上の高齢者人口の増加は2045年がピークとなり、それ以降は漸減。現役労働となる15~64歳や未就労世代の14歳以下が2020年以降一様に減少していくのとは対照的である。
年齢階層別構成比で見ても、高齢年齢階層人口が増加を終える2045年から15年間ぐらいをピークとし、それ以降は各年齢階層の比率が安定するようすがうかがえる。
総人口比に占める各年齢階層の比率としては、14歳以下の減少率はおおよそ一定、そして2040年以降はほぼ変わらずの動きを示す。一方で15~64歳は2050年まで減少率が大きく、2070年でようやく横ばいに推移する。65歳以上は2055~2065年をピークに少しずつ比率が横ばいに。国連統計の予想値は2100年までだが、恐らくはこれ以降の動向もこの比率から大きく動くことはあるまい。
無論この数字はあくまでも推定値であり、予想の仕方や前提条件で、特に年代を重ねる毎にぶれが大きくなる。国連が発表した同様の調査結果の3年前の2019年版と比較しても、年齢階層別構成比の変移や人口そのものの点で、多少ながらも違いが確認できるため、あくまでも「予想」よりはむしろ「予報」レベルのモノとして認識した方が無難だ。また本件は「中位推計」(出生率がそこそこの状況)の上での計算のため、経済や社会、政治、文化などの変化に伴い、本件値とは大きな違いが生じる可能性はある。
とはいえ、本件予想による人口構成比を見る限り、高齢化社会・少子化社会の観点において、多分に問題が発生する・深刻化することは容易に想像できる。いかに子育てがしやすい社会を作り上げていくかを最優先課題とし、その検証と対策の実施が急務であることに違いはない。
■関連記事:
【2050年の日本人口推計は9515万人・首都圏や中部圏に集中化へ…地域別人口推計】
【41年連続の減少で子供の数は1465万人に…「こどもの日」関連最新情報(2022年公開版)】
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。