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T・ウッズ、事故後の2つの新事実。報じられた「思い込み」と「医薬品の空ボトル」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

タイガー・ウッズが2月23日に起こした交通事故の原因を調べていた米カリフォルニア州ロサンゼルスの捜査当局は、4月7日に「ウッズのスピードの出しすぎだった」と発表したが、その後、米USAトゥデイ・スポーツは、22ページに及ぶ膨大なレポートを入手。その一部を報じた。

その報道によると、事故直後、駆け付けた警察官からその場で声を掛けられたウッズは、事故のことを「覚えていない」と答えた以外に、そのとき自分が事故現場のカリフォルニアではなく、自宅のあるフロリダにいると思い込んでいたという。

また、車内に残されていたウッズのバックパックの中には、医薬品の空ボトルが残されており、そのボトルにはラベルが貼られておらず、中身が何だったかわからない状態になっていたことも、レポートには記されているという。

7日に地元の捜査当局が発表した内容は、ウッズの車に搭載されていた、いわゆるブラックボックスの解析に基づくものとされており、それによると、制限速度が時速45マイルの区域でウッズが最大で時速87マイル(約140キロ)前後と、制限速度を大幅に超過して運転していたため、カーブを曲がり切れず、まっすぐ突っ切ったとされていた。

また、事故現場にブレーキ痕が残されていないのは、ウッズがブレーキを踏もうとして誤ってアクセルを踏んだ可能性があるという見解も発表されていた。

そして警察当局は、この事故を単純な自損事故とみなして、ウッズに刑事責任を問うことはないと発表。

ウッズ本人も、自身のツイッターで事故調査が終わり、「足のケガの治療に励みます。辛い時期に応戦してくれているみなさんに感謝しています」と綴ったばかりだ。

折りしも、捜査当局の発表は、マスターズ・ウィークと重なり、今はその2日目が進行中。ゴルフファンにとっては、まさに1年で最大の「ゴルフの祭典」の真っ只中のときである。

ゴルフ界の永遠の王者であり、偉大なるレジェンドであるウッズは、事故後もツアー仲間や若きプレーヤーたちに病院からも自宅からも温かいエールを送り、送られた選手もウッズの励ましからエネルギーやパワーをもらってきた。

すでに捜査当局の事故調査は完了しているのだから、ウッズの事故に関しては、そっとしておいてほしいと、ウッズを愛する一人としては願っているが、謎めいていることがいくつも残されていることは事実であり、米メディアはウッズの事故にまつわる謎の追及に余念がない様子である。今後の動きを見守りたい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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