スマホなどの携帯電話を買い替えた世帯はどれほどいるのだろうか
2017年は2割強の世帯が携帯買い替えを体験
通話機能はもとよりインターネットへのアクセスを介した多種多様な機能の実装で、魔法の情報ツール的な存在となりつつある携帯電話。中でも、従来型携帯電話よりはるかにパソコンに近いスマートフォンの存在は、人々の生活を大きく変化させつつある。今回はそれら携帯電話の世帯ベースでの買い替え動向について、内閣府が2017年4月に発表した「消費動向調査」の内容をもとに、実態を確認する。
今件における「買い替えをした世帯」とは、携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話双方)を所有していなかった世帯が新規に購入するケースでは無く、以前から所有していたが新たに買い替えをした世帯の割合。
まずは総世帯、つまり全世帯における世帯単位の携帯電話買替状況。2017年は20.8%とあるので、2割強の世帯が携帯電話の買い替えを経験していることになる。
直近の2017年は前年2016年と比べるといくぶん高め。4年分しか経年データが取得できないため、この上げ転換が単なるぶれの範囲なのか、別の理由があるのかまでは判断が難しい。また新規購入世帯はカウントされていないことに注意。他の耐久消費財と比べると値が高めのように見えるが、単価が安いことに加え、世帯構成人数が複数の場合、いずれか一人でも買い替え経験者が居れば該当世帯となるため、高めの値が出るのは道理が通る。
これを買い代え理由別に見たのが次のグラフ。
「その他」「住居変更」は前年から減少しているが、「上位品質」「故障」は増加。該当期間にiPhone SEやiPhone7/7Plusの発売が始まったことから、旧タイプのiPhone所有者が良いタイミングと判断して買い替えを決断した事例が多かった可能性はある(「故障」も以前から何らかのトラブルを抱えていたが、新機種発売を機会に、というパターン)。
続いて直近年における主要属性別。
やはり若年層世帯の買い替え率が高い。29歳以下がいくぶん低めなのは、今件では計上されない初購入世帯もあるからだろう。また、世帯年収別ではきれいな形で高年収ほど高買い替え率が出ている。年収750万円以上の世帯では3割強が携帯電話の買い替えを果たしている。
独り身と夫婦世帯の違い
携帯電話はある程度買替世帯数も多く、計算上のぶれもあまり気にせずとも良い状況にあることから、単身世帯(世帯主のみ)と二人以上世帯(世帯が二人以上で構成)それぞの動向をざっと確認しておく。
まずは全般的な買い替え率。
二人以上の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなるのは物の道理。二人以上世帯では2割強で携帯電話の買い替えが行われてる。
続いてこれを買い替え理由で細分化したのが次のグラフ。
単身よりも二人以上の方が「上位品目」による買い替えがされやすい傾向がある。子供がいる世帯では上位機種をせがまれたり、あるいは従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが行われる関係だろう。
最後は直近年における各種属性別の動向。
若年層世帯の方が買い替え率は高いのは世帯種類で変わらず。二人以上世帯の30歳未満でやや突出した値が出ているのは、該当買換え世帯が15世帯しかないための統計的なぶれによるところが大きい。
他方年収別では二人以上世帯はほぼ比例する形で高年収ほど高買い替え率を示すものの、単身世帯では中堅クラスが最大値を示し、それ以上の年収ではむしろ下がる傾向にあるのが興味深い。高性能機を所有し、あるいは現状の端末で満足し、買い替える必要を感じていないのかもしれない。
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