【渋谷区】特別展『HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―』 創作和菓子も紹介
2025年が良い年になることを願って、山種美術館では幸せと招福をテーマにした特別展『HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―』(会期:2024年12月14日-2025年2月24日)が展示されています。JR恵比寿駅から黄金色の銀杏並木の坂を登り、プレ展示会へ取材に行きました。
HAPPYな日本美術のキービジュアル 川端龍子《百子図》
展覧会のキービジュアルになっている、川端龍子《百子図》は歴史的瞬間を描いています。戦時中、上野動物園において空襲から動物の逃げ出しを防ぐため、多くの動物が命を奪われました。
戦後、子供たちが手紙を書き、それがきっかけとなってインドから象が友好の印として日本に贈られました。この作品は、その象と子供たちの幸福な様子が描かれています。
この日本画が描かれたのは昭和24年です。
キービジュアルのグッズも、地下展示室と同フロアのミュージアムショップにあります。
2025年は巳年、金運アップのHAPPYな日本画
2025年の干支である乙巳(きのとみ)は、60年に一度の珍しい干支で、多くの良い説が存在します。展示されているのは、運と金運を引き寄せるとされる「巳」をテーマにした作品です。
また、白蛇を使いとする弁天様が描かれた七福神の絵巻物も見ることができます。
約300年前(17-18世紀)に描かれた狩野常信《七福神図》は、その時代に自由に絵を描いていた人々の中から、300年後まで残り続けた一枚の絵です。その力と強運を目の当たりにすると、厳かな気持ちになりました。
今期展示の5作品をピックアップして和菓子に! Cafe椿
山種美術館では、会期ごとに5つの作品を選び、これを和菓子に仕立てるという試みが行われています。それらの和菓子は、青山の老舗菓匠「菊家」による特別オーダーです。
来館者は、幸福感や招福に関連する日本画を鑑賞した後、1階のCafe椿で自分の好きな作品にちなんだ和菓子を楽しむことができます。この贅沢な時間こそ、HAPPYの一つだと言えます。
試食した全ての和菓子は、形状の美しさと美味しさで全ておすすめです。
その中で右の「雲海」という和菓子は、横山大観《心神》をモチーフに作られており、雲の上に見える部分が富士山を表現しています。
《心神》横山大観
横山大観(1868年 - 1958年)は、生涯を通じて描き続けた数々の富士山の日本画でも知られています。波乱万丈ながらも日本画への想いを貫いた巨匠です。
3作品もの富士山を描いた作品が並べられている圧巻の展示。初夢に富士山を見ると縁起が良いと言われていますが、その迫力溢れる富士山の3作品は、見る者全てを惹きつけていました。
人が作品を見るとき、良い縁起を連想させる作品はその表情をリラックスさせる効果があるようです。展示を観覧する人々の表情が柔和である様子が目立っていました。初詣の際には、特別展 『HAPPYな日本美術』のお気に入りの作品を思い出すことで、優しい表情で二礼二拍手一礼をして、良い兆しを引き寄せたいです。
取材では山種美術館様の協力により、入館料及び和菓子の試食を無償で提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。
山種美術館
展覧会名:【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―
会 期:2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振休)
所在地 東京都渋谷区広尾3丁目12−36
開館時間 午前10時から午後5時
月曜休館。入館は閉館の30分前まで
※今後の状況により、開館時間は変更になることがあります。
TEL:050-5541-8600
Cafe椿
営業時間 10時30分~17時
(展覧会によっては変更になることがあります)