金総書記の娘「ジュエ」が約2か月ぶりに姿を現す! 労働党創建日行事は初めて!
朝鮮労働党創建79周年慶祝公演が昨日(10月10日)、朝鮮労働党中央幹部学校の広場で行われたが、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘「ジュエ」が姿を現していた。
黒いパンツスーツに白っぽいジャケットを羽織っていて、11歳らしからぬ身なりをしていたこともあって一段と大人びていた。
今朝の「朝鮮中央通信」は「金正恩同志が公演を鑑賞した」とだけ伝え、娘の同席については言及していなかった。「朝鮮中央通信」が配信した18枚の写真をみると、そのうち8枚に父親と共に娘が写っていた。ところが、夜の宴会では金総書記が「愛するお嬢様と共に宴会場に姿を現した」と、娘も一緒に紹介していた。
「ジュエ」の登場は新型戦術弾道ミサイル発射台の国境第1線部隊への引き渡し式典以来、実に66日ぶりである。この時もメディアでは紹介されていなかったが、「朝鮮中央通信」が配信した25枚の写真のうち19枚にその姿が写し出されていた。
「ジュエ」は大陸間弾道ミサイル「火星17」が初めて発射された2022年11月18日に初めてお披露目されて以来、2月8日の朝鮮人民軍健軍日や9月9日の建国記念日の行事には出席したことはあったが、労働党創建関連行事の出席は今回が初めてである。
娘だけでなく公演鑑賞者については「労働党中央委員会政治局常務委員会の委員をはじめ党中央指導機関のメンバーと党中央委員会の幹部、最高人民会議の代議員、武力機関の幹部、省、中央機関と市内の党活動家、中央幹部学校の教職員、学生が公演を鑑賞した」と伝え、同行者の名前は誰一人、明らかにされなかった。
憲法改正が討議された最高人民会議が閉幕(10月8日)した直後に催された行事だけに観覧者の顔ぶれが気にならざるを得なかったが、広場に設置された雛壇には金総書記を挟んで向かって左に娘、そして右に新任の呂光鉄(ロ・グァンチョル)国防相が着席していた。そして娘の隣には崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が、呂国防相の隣には党序列6位の李日煥(リ・イルファン)党政治局員兼書記(宣伝担当)が座っていた。
崔外相は政治局員よりも下の政治局員候補で党序列では20位前後である。従って、今回の着席順をみると、政治局員に躍進したものとみられる。呂国防相もまた前任の強純男(カン・スンナム)国防相が政治局員だったことから崔外相同様に政治局員に起用されたものと推測される。
呂国防相も崔外相も2018年6月のシンガポールでの米朝首脳会談の随行者だっただけにこの二人の台頭はトランプ前大統領のカムバックを睨んでのものであるのかどうか、大いに気になる。
ちなみに夜の宴会のメインテーブルでは金総書記を挟んで向かって左に娘が、右に崔外相が、そして娘の隣に党序列3位の趙甬元(チョ・ヨンウォン)政治局常務委員兼組織指導部部長、序列15位の趙春龍(チョ・チュンヨン)政治局員兼党軍需工業部長、核開発担当の洪承武(ホン・スンム)党第1副部長、ミサイル担当の金正植(キム・ジョンシク)党軍需工業部第1副部長が着席していた。なお、崔外相の隣にアレクサンドル・マツェゴラ駐朝ロシア大使が着席していた。