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カウントダウンに入った尹大統領の逮捕! 検察と警察、どちらが先に身柄を取るか!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領への包囲網が一段と狭まっている。

 戒厳令を陣頭指揮した金龍顕(キム・ヨン・ヒョン)前国防相が10日未明に内乱容疑で逮捕されたことで金容疑者に非常戒厳を一任した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に司直の手が迫っている。

 金前国防相を逮捕した検察は内乱の首謀者は尹大統領と見なし、捜査を本格化する方針だ。

 検察には本来、内乱容疑の捜査権限は与えられていない。しかし、今回、ソウル中央地裁が検察から出されていた金前国防相の「内乱重要任務従事と職権乱用行使の容疑」の逮捕令状を認めたことで捜査が可能となった。

 内乱の捜査権は警察にあることから検察は職権乱用でしか尹大統領を捜査できなかった。しかし、金前国防長官に内乱重要任務従事容疑を適用した際に「尹大統領と共謀し、国憲紊乱を目的に暴動を起こした」との令状を裁判所が受け入れたことで検察は内乱容疑での尹大統領の身柄拘束が可能となった。

 検察が元検察総長の大統領を逮捕、捜査するとは戒厳令発令前まではあり得ないシナリオだったが、「生きた権力」の大統領がすでに「死に体」となったことから可能となったようだ。検察は尹大統領の身柄を拘束することで「政権べったり」とのこれまでの批判を交わし、「汚名挽回」を諮ろうとしているようだ。

 数日内にも検察が尹氏への強制捜査に踏み切るとの見方が出ているが、仮に現職大統領が逮捕されるようなことになれば、韓国憲政史上初の衝撃的な出来事となる。

 一方、内乱容疑で金前国防相の家宅捜査を行っていた警察もいつでも尹大統領の緊急逮捕に乗り出す構えだ。

 趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官、金峰埴(キム・ボンシク)ソウル警察庁長ら警察トップ3人が国会の封鎖などに警察官を動員したことで「内乱共謀」容疑を掛けられ、世間の批判を浴びている警察もまた、金前国防相の身柄を検察に先に抑えられた屈辱から尹大統領だけは何が何でも先に逮捕しようと、高位公職者犯罪捜査庁を通じて裁判所に緊急逮捕の令状を出している。すでに高位公職者犯罪捜査庁は尹大統領を「内乱首魁」とみなし、尹大統領の出国を禁止している。

 国会は国会で昨日、本会議で尹大統領を含む8人の内乱容疑者の即時逮捕を求める決議を採択(賛成190、反対95、棄権3人)しているので尹大統領は逮捕は避けられない状況となっている。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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