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【東御市】ノスタルジックでミステリアスな伝説の里 御姫尊巨石へ異世界トリップ

もりのりこ地域移住系ライター(上田市)

今回ご紹介するのは東御(とうみ)市祢津(ねつ)地区。

宮ノ入のカヤ 樹齢600年とも700年ともいわれる巨木
宮ノ入のカヤ 樹齢600年とも700年ともいわれる巨木

昨日の景色のようにかしこに残る昭和時代の断片
昨日の景色のようにかしこに残る昭和時代の断片

中世から令和までの時間が交錯する不思議な景色は、どこか懐かしくちょっとミステリアス。そんな祢津で古くから厚い信仰を集めている御姫尊(さん)の巨石をご紹介します。

・昭和時代の祢津っ子にとっては秘密基地

先日行われた祢津祇園祭りでは、小学生の鼓笛隊に続いて、西宮と東町の神輿が練り歩きました。

東町と西宮、文化も気風も違う二つの集落からの神輿が競い合ったケンカ神輿
東町と西宮、文化も気風も違う二つの集落からの神輿が競い合ったケンカ神輿

以前はケンカ神輿と呼ばれ、本気でぶつかり合い、その様子をみる観客と担ぎ手たちの熱気で異様な盛り上がりをみせたとか。子どものころは屋根に上がってケンカ神輿を見物したという地元の方は、放課後に巨石のあるお堂でよく遊んだと教えてくれました。

お堂の石碑 周囲はうっそうとした草むら
お堂の石碑 周囲はうっそうとした草むら

お堂への道で巨大なキノコに遭遇
お堂への道で巨大なキノコに遭遇

集落から少し離れたお堂周りは、子どもだけの秘密基地のようでワクワクしたそうです。どこか不思議な空気感に、自然と魅せられたのかもしれません。

・御姫尊巨石の言われ

御姫尊巨石 子授かりや婦人病快気を祈る人々の信仰を集めた
御姫尊巨石 子授かりや婦人病快気を祈る人々の信仰を集めた

この巨石は高さ6m、幅16m、奥行15mの大きさで「祢津のお姫尊」のご本体です。
~中略~
(祢津領主 松平忠節公の奥方了照院は)生前、婦人病に悩まされていましたが、霊夢の導きで巨石に祈願したところ、病から脱したことから、多くの病を持つ女性達を救い功徳を積まれたと伝えられています。
その遺徳を追慕し、多くの人々が参詣するようになり、やがて遠方からも毎年参拝者が訪れるようになり、お姫尊への信仰が広まりました。(東御市教育委員会)

諸説あるようですが、昭和時代の初めまでは参拝者で祢津の集落はたいへん賑わったとのこと。

・伝説の巨石まで行ってみた

集落の中心から御姫尊への道は、上り坂が続きます。

西宮歌舞伎舞台がある祢津建事(たてこと)神社
西宮歌舞伎舞台がある祢津建事(たてこと)神社

途中にある「カヤの木さま」と呼ばれる巨木の実 いまだに青々とした実をつけている
途中にある「カヤの木さま」と呼ばれる巨木の実 いまだに青々とした実をつけている

途中の見どころもぜひ立ち寄りましょう。

最後は草が生い茂る山道で、そこからは雰囲気が一変!

一歩入ると、集落ののどかな気配がぴたりと消える
一歩入ると、集落ののどかな気配がぴたりと消える

お堂への階段 階段を踏み外さないよう注意して!
お堂への階段 階段を踏み外さないよう注意して!

まるで異世界に足を踏み入れたような感覚。そして、巨大な石からは、何か大きなエネルギーを感じることでしょう。近くには「霊界を想わせる清水」と本で紹介されていた「骨清水」というスポットもあります。

・まだまだ見どころいっぱい

細小路を散策すると、古くからの里山の暮らしを肌で感じられる祢津。

集落から見上げる祢津城山 かつての城跡
集落から見上げる祢津城山 かつての城跡

東町の歌舞伎舞台 西宮と東町それぞれに舞台がある
東町の歌舞伎舞台 西宮と東町それぞれに舞台がある

信濃の歩き巫女「ノノウ」の里としても知られ、巫女の墓や屋敷跡を巡ることもできます。「祢津ガイドブック(発行:祢津地域づくりの会)」にはいくつもの散策コースが紹介されています。

・いかがでしたか

のどかな景色の中に少しミステリアスな雰囲気がある祢津の集落。

市役所にも確認しましたが、ここでご紹介できる駐車スペースはありません。行くには不便ですが、それもまた味わい深さのひとつではないでしょうか。

御姫尊巨石
東御市祢津2455
アクセス
車:上信越自動車道 東部湯の丸I.Cから約5分
電車:しなの鉄道田中駅から約6キロ

※名称について お姫様巨石など呼び名が混在していましたが、本文では「祢津ガイドブック」と表記を統一し御姫尊巨石としました。「祢津ガイドブック」は祢津公民館に置いてあります。

取材ご協力:祢津公民館

地域移住系ライター(上田市)

東京から長野に拠点を移してあちこち巡るヒト。 豊かな自然、伝統とあたらしさ、独特の上田カルチャーに惹かれ、日々過ごしています。 ヨソから来たからこそ発見できる上田の魅力。 ほんとうに伝えたいことだけをていねいに記事にします。

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