完全通話定額でプライスリーダーに躍り出たドコモの本気 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.078
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
石川 温の「スマホ業界新聞」
2014/04/12(vol.078)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
1.月額2700円の完全通話定額は高いのか安いのか
━━一気にプライスリーダーに躍り出たドコモの本気
2. イオン月額2980円Nexus4が完売間近の大ヒット
━━「品質」と「価格」のバランスが求められる後継機種
3.契約者数発表せず、新製品発表会も見送りのソフトバンク
━━静かなる「ゲームチェンジ」の始まりか
4.スマホ業界人たちの「ささやき本音コラム」
━━Y!mobileの成否を握る商品戦略
5.今週のリリース&ニュース
6.編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.月額2700円の完全通話定額は高いのか安いのか
━━一気にプライスリーダーに躍り出たドコモの本気
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4月10日、NTTドコモが料金改定に踏み切った。この料金を見たとき、はっきり言ってドコモを見直した。ここ最近の業界を振り返ると、MNP開始時にソフトバンクの孫社長が料金戦争を仕掛けて、980円というプランが定着。ソフトバンクが自網内定額などのデファクトスタンダードを作ってきた感がある。業界のプライスリーダーは間違いなく孫社長だった。
そこに続いたのがKDDI・田中社長。自社にしかできない「固定と携帯電話のセット販売」で、家族をまるごとKDDIにしてしまう戦略が当たった。
ソフトバンク、KDDIが料金で攻めてくる中、NTTドコモは防戦一方であったのだ。
そこに来て、今回の完全通話定額と家族データシェアプランの投入だ。「基本料金が高く、電話をしないユーザーからすれば値上げだ」という指摘はあるが、1回10分という制限のない「完全通話定額」の導入は、我々がこれまで付き合ってきた「音声通話」の使い方を根本から変えてしまう可能性があるし、業界の勢力も一変させる破壊力を持っている。
当然のことながら、割安な音声通話を訴求していたサービスは、内容の見直しを迫られるだろう。「楽天でんわ」はもちろんのこと、「LINE電話」もすっかり影を潜めることになる。「楽天でんわ」の記者会見時、フュージョン・コミュニケーションズ幹部が「(音声定額導入が予想される)VoLTE開始時までが顧客獲得の勝負だ」と語っていたのだが、VoLTEを開始する前にあっさりと優位性が失われてしまった。LINE電話においても、電話番号偽装の問題を解決する前に、サービス内容の変更を検討しなくてはいけないかも知れない。
この記事は有料です。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバーをお申し込みください。
石川 温の「スマホ業界新聞」のバックナンバー 2014年4月
税込550円(記事6本)
2014年4月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。